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はじまりへの旅(Captain Fantasitic)

2017-06-18 13:09:18 | Weblog


世間では今日、父の日だそうです。

昨日観た「はじまりへの旅」は、カッコいい父の映画でした。


父役は主演のヴィゴ・モーテンセン。
ロード・オブ・ザ・リングのアラゴルン役だった彼です。
さすがアラゴルン、森を駆け抜ける姿が似合うな、とか、
幾つになってもかっこいいな、と思いながらスクリーンを見つめておりました。


森で生活する家族、という前提の部分にヒョッとのっかって観てみようと思ったわけですが、
森でのシーンもさることながら、都会でのシーンも含め、すべての風景がとても印象的だった。
それは、風景そのものがというよりも、そこに必ず家族の姿があったからなのだと、思います。

自然は美しいだけじゃない、その何倍も厳しい。
都会は楽しいだけじゃない、その何倍も苦しい。

でも、どちらもそこに生き生きと暮らす人がいれば、
その厳しさや苦しさは時に喜びを伴って、美しく楽しいものに変わるんだと思うのです。


行き過ぎた教育方針はちょっと怖いし、
どんなに「正しい」と言われるものに対しても盲目的に信じ込むのはやっぱり危険だけれど。

それでも、子どもたちがプレゼントされたナイフの刃先を嬉しそうに見つめる姿や
ミュージカルさながらの歌とセリフで警官を追い出すシーンは、とてもよかった。うらやましくなるほど、ぐっときた。


「普通」に立ち向かいながらも、「普通じゃない」ことで大切なものを傷つけたり失ったりすることを知った時、
父は自分のやり方が誤っていたかもしれないと子どもたちに向けて謝り、そして別れを決断する。

愛車であるキャンピングカーのスティーブに乗り、一人になった父の姿が映し出されるシーンは、
それまで6人の子どもたちが当たり前のように隣にいたからこそ、その寂しさが一層際立つ。
人は一人じゃ生きられない。それは物理的にではなく、精神的に。誰かの存在がなきゃ、頑張れないよ。
だからこそ、父の前に子どもたちが現れたとき、もうどうしようもなく涙が溢れました。


母が望む形で執り行われた山の上でお葬式。父が母を想う姿、全員で奏でる歌と音楽は本当に美しかった。
そして遺灰を空港のトイレに流したときのみんなの笑顔に、心から救われたような気持ちになりました。
苦しみや悲しみに唯一対抗できる手段として、ユーモアのセンスを持ち、みなに分け与えてくれた母。
その姿を誰もが愛し、そしてこれからも忘れることはないであろうと確信させる、本当に素晴らしいお葬式でした。


みなそれぞれ本を読んだり勉強したりしながら朝食をとる子どもたちと、その姿を見つめる父。戻ってきた生活を、本当に日常的なワンシーンとして長めに切り取った最後の場面は、この映画で一番の印象的なシーンでした。
幸せはいつだって、日常の中にある。それも、誰かと過ごす日常の中に。


何が普通か、なんて人によって違う。何が幸せかも、同様に。
でも、自分の思うことを共感してもらえる誰かの存在さえあれば、それは十分自分にとっての普通であり得るし、幸せな人生になるんじゃないかと、思う。


ともに過ごす笑顔の子どもたちの姿があって初めて、父はカッコよく、たくましく見える。
私もまた、父にとってそんな存在であり続けられますように。
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