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12月29日に発生した極中間圏雲についての考察

2012-01-05 19:36:54 | 夜光雲
12月29日の早朝に見られた夜光雲(極中間圏雲:PMC)についての考察です。

今回観測された夜光雲と思われる雲は仙台だけでなく宮城県北部から関東地方
にかけての広範囲で目撃・撮影されています。

こちらは河北新報に掲載された小石川さんのお写真です。

雲の発色が分かるように明るさをアンダーに調整しています。

通常、夜光雲は太陽高度が-6°〜-16°の時に発光(反射)して見えます。

12月29日の仙台で太陽高度が-6°〜-16になる時刻を調べると、午前5時30分頃
から6時20分頃までとなります。この間に夜光雲は光って見えることになります。

小石川さんが撮影した時刻6時は太陽高度が-10°なので、この雲は
夜光雲(極中間圏雲:PSC)でほぼ間違いないと思います。

ただし、自然発生的な夜光雲ではなく、大火球発生によるものである
可能性が高いと考えられます。

以下、その理由を述べます。

理由その1
「形状が巻雲状ではなく帯状になっている」

この写真はほぼ同時刻に仙台で撮影された写真です。

この写真を見ると、小石川さんの写真では写っていないさらに右側の
様子が見えます。雲は長い帯状の1本で形成されていた事が分かります。

これは大火球発生後に見られる夜光雲によく似ています。夜光雲が帯状になることは
ありますが、このように単独でループ状になった報告例はありません。→参考

こちらは2009.11.18にユタ州で大火球発生後に撮影された写真です。

大火球が発生した6時間後の日の出直前に撮影された夜光雲です。

こちらは同じ雲をコロラド州から撮影したものです。(現地時間06:30)

この時の大火球の様子はこちら→movie

<追記2012.1.15>
「上記の写真の出典が不明」と「空のkiroku 雑記帳2」にありました。
上記の写真はSpaceweather.com 2009.11.19の記事にあります。大火球発生による
夜光雲の写真が多数掲載されています。リンクを貼りますのでご覧ください。→WEB


今回の夜光雲はループ状以外の場所で発生していないので、大火球による夜光雲の
可能性が高いと思われます。

理由その2
「ロケット発射による夜光雲の発生であることは考えにくい」

STSやロケットが薄明中に発射されると飛行機雲状の夜光雲が発生することは周知の事実
です。ロケット打ち上げ直後にループ状の夜光雲が発生した報告例はたくさんあります。→参考
しかし、仙台から南東方向にロケット打上げ射場はないのでこの可能性はゼロです。
(もし、仙台沖で原潜からポラリス等のロケットが打ち上げられれば可能性はあるが…)

以上の理由から、今回の夜光雲は大火球によるものと考えるのが妥当かと思われます。

しかし、この仮説には一つ、大きな問題があります。

そうです。大火球の報告が今のところ一件もないという事実です。

大火球の目撃についてJN掲示板で確認したところ、28日-29日にはありませんでしたが、
27日夜に隕石落下を伴うと思われる−10等級の火球報告がありました。(27日20時53分52秒)

東京の自動TV撮影

(c)SonotaCo Network Japan Forum

この火球は隕石落下を伴う可能性のあるものでしたが、発生した場所が
能登半島沖だったため、残念ながら隕石発見には至っていません。

さて、この火球が今回の夜光雲の発生源なのでしょうか?
緯度的には、火球で夜光雲が発生したと仮定して、真東に移動させると
仙台の南東に位置するように思えます。

問題は、夜光雲が目撃された時間が火球発生から34時間も経過していること…、
この点については報告例がないので、なんとも言えません。

ただ言えるのは、上空が夜光雲の発生しやすい気象条件になっていたことは
間違いないと思います。

発生原因は特定できませんが、北欧の夏に現れる夜光雲が日本の冬に
発生したことは紛れのない事実です。
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キーワード
ロケット打ち上げ
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3 コメント

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高高度雲について (satotaka)
2012-01-10 03:19:39
はじめまして
考察,興味深く読ませていただきました。私も大きな火球によるいわゆる流星痕ではないかと考えております。
私が撮影した写真ともう1枚を使って,発生場所と高度を探ってみました。発生場所は,千葉東方沖450kmあたり,高度は80kmほどのようです。
詳しくは下のレビューをご覧ください。
http://ganref.jp/m/satotaka/reviews_and_diaries/diary/3873

お住まいが宮城なのですね。私は仙台市泉区在住です。
極中間圏雲 (晴れスター)
2012-01-10 23:29:23
satotakaさん
コメントありがとうございます。
レビュー拝見しました。高度が80kmであったという計算結果に驚きました。この計算に間違いがなければ、今回の雲が日本で初めて観測された極中間圏雲だと立証されたことになります。

流星痕は自ら発光する流星物質なので暗い夜空でないと見えません。今回の現象は極中間圏に出来た雲(氷の結晶)が太陽光に反射して見えたもので、流星の永続痕とは別の現象だと思います。

satotakaさんが撮影した7枚の連結写真は今回の現象の謎を解く鍵となる貴重なお写真だと思います。素晴らしい写真ですね。

私も泉区在住です。たぶんご近所だと思います。
これからも情報交換をよろしくお願いします。
おはようございます (satotaka)
2012-01-11 07:37:19
おはようございます。
流星痕の件,確かにそうですね。
高高度雲をつくらせたもの,それが何なのか,興味がつのります。
同じ泉区なんですね。これからも情報交換をお願いします。

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