あつしおかのう みみず倶楽部 Annex

みみず倶楽部の別館です

集落営農(その3)

2007年09月25日 | ひとりごと
(その2からの続き)
 この状況で安易に集落営農に乗っかって大丈夫でしょうか?最初は話し合いの場としながらゆくゆくは補助金の操作等で本来の意味での集落営農に持っていこうとするのではないかと思います。
 米価が更に低下すると、ますます経営は破綻します。農家単位で経営が破綻しても、年金や兼業からの収入で補填したり、楽しみとして(アンケートでは5人の方が「楽しく、やりがいがあり、これからも続けたい」と回答、農家21軒中23.8%。後継者アンケートでも有効回答22人中5人が「作る喜びがある」と回答)続けてゆくことができます。実際、ここ10年はそういう側面がどんどん大きくならざるを得ない状況だったと言えます。
 集落営農が始まって、直接水田に関わる人が減り、自分の家の田んぼという意識が薄くなり、経営規模が大きくなって(借入金の額も増え)から破綻してしまうと、その赤字処理で集落内が混乱に陥り、人間関係からすべてが崩壊してしまう危険性はないでしょうか?その後に、個人で農業を再開しようにも、機械もなく技術もなく習慣もなくもうどうにもならない状況になるのではないでしょうか?
 集落営農をするかしないかは当然当事者の選択ですが、後戻りできなくなる可能性を十分認識した上で選択すべきだと思います。

 しかし、このまま続けていけばいいというつもりもありません。アンケートによると機械の所有状況は、トラクター17台、田植機15台、コンバイン17台となっています。ここ5年くらいは中古を買っている人が多いとはいえ、30数ヘクタールに対する台数としては多すぎます。寄り合いでも「2台あればできるな」という声がありました。年金や兼業からの収入で補填するといっても限度があるので、機械の共同化または機械作業の委託は必要だと思います(この件については、農業委員会にいたときに広報誌にも書きました)。
 黒字にはならなくてもとりあえず機械利用の効率化だけを進め、他については時代が変わるのをじっと待つ、守りの農業が一番よい選択だと私は思います。いつ時代が変わるのかは分かりませんが、地球規模の気候変動・ピークオイル・中国インド他の経済発展と変わる要因には事欠きません。問題は「いつ」かです。国際的に問題になっても(どこかの国で誰かが飢えても)しばらくの間は札束で食糧を買い集めてくるのでしょう、それによるタイムラグがどれぐらいになるかも予想できません。ただ、とりあえず、この15年間をじっと守ってみるというのはいかがでしょうか。

集落営農(その2)

2007年09月25日 | ひとりごと
(その1からの続き)
 集落で共有されている危機感には2つの側面があります。1つは米価が下がり続けているので経済的に農業を続けられないという面です。もう1つは後継者不足で農業を続けられないという面です。2つの側面は関連していますが、微妙にズレがあります。
 まず、経済面ですが、先日集落の専従で米とアスパラを作っている方から、今の米価は再生産できる価格ではないと聞きました。その方は大規模にやっていて、機械は共同で購入し、作業の請負もやっています。空が明るくなるのを待って田畑に出るぐらい働いていている方です。また、別の方の収支を聞き取りでざっと計算したことがあります。その方は小規模なので機械は買わないで作業を委託してやっています。「赤字だ」というので、縁故米や自家消費分を計算していなかったり、印象で言っているだけなのではないかと思って計算してみると、ざっと支出を積み上げただけで赤字でした。抜けていたものもあるでしょうし、労働費は最初から一切計算に入れていません。再生産どころかボランティアで食糧を他人のために作ったうえにお金まで払っているということになります。
 一方、後継者不足という面では10年か15年は余裕があるように見えます。
 アンケートを見てみると、まず規模を拡大したいが3、現状維持が9、縮小が1、近い将来やめたいが9となっています。今、規模を拡大したいという人は大規模にやっている人でしょう、そんな人が3人もいます。もし一人当たり2ヘクタール増やしたいと思っていて、やめたい人の平均作付面積が0.6ヘクタール(実際はもっと多いかな?クロス分析がされていないので集計結果からは不明です)なら、9人全員がやめたとしても水田は余っていないことになります。後継者を対象にしたアンケートを見ると、「5年以内に出来なくなる」という人が7人いますが、7軒分なら他の農家で吸収できてしまうでしょう。逆に、誰かがリストラされたり、退職して規模を拡大するとなると水田は足りないということになります。また、現時点で農業をやっていなくて将来もやりたくないと考えている後継者が、10年後もそう思っているかどうかは分からないという点も考慮する必要があります(加齢効果があるのか、世代効果の方が大きいのか)。農業の主力は60歳代で70歳代も珍しくないことを考えると、今、60歳前後でがんばっている人とこれから退職する団塊の世代が限界を迎える15年後までは水田については問題ないと言えます。

オーブンでクッキーを焼きました

2007年09月23日 | 台所
調理器具は一通り持っているのですが、オーブンだけは持っていませんでした。何度も買おうかどうか迷ったことがあります。でも、買ったはいいけど結局使わないのではないかとか、お菓子をどんどん作るようになると食べ過ぎて(甘いものは好きなので)しまうのではないかとか、いろいろ考えてしまい、結局今まで買わないできましたが、少し前にガスオーブンもらいました。ガスオーブンと言っても30年前か40年前ぐらいの年代もので、ガスコンロの上に置いてガスコンロの熱で暖めるものです。
 これでまずはクッキーを焼いてみました。問題は温度計が壊れていること。中の温度が分かりません。しかもオーブンは初めてなので、生地の様子で判断することもできません。
 1回目は恐る恐る弱めの火で始め、様子を見ながら強くしていきました。生地の様子が変わらないので、強火にして少し目を離したら、黒焦げになってしまいました。2回目からは中火にして目を離さずそこそこうまく焼けました。並べてみるとチョコクッキーと普通のクッキーのようです。ちょっとぱさぱさした感じなのは、温度のせいでしょうか?
 オーブンの中に置ける温度計を見つけたので、今度はそれを買って焼いてみようと思います(糖尿病にならないように注意しながら・・・)。

集落営農(その1)

2007年09月20日 | ひとりごと
 先週、集落営農のアンケート報告の寄り合いがありました。集落営農とは、集落が組織を作り、20ヘクタール以上の農地を集約して、経営を一元化して、将来的には法人化するというものです。大規模農家だけに補助金を集中しようとした農林水産省が、小規模農家切捨て批判をかわすために作り出しました(集落営農も大規模農家並みに補助の対象にする)。
 私が住んでいる集落は中山間地で、畦が1-3メートルで、ほとんどが三反田です。水田の作付面積は30数ヘクタールです。
 まず、普及所の職員がアンケート結果を説明したのですが、冒頭、「ここでいう集落営農は農林水産省が言う20ヘクタール以上経理一元化する集落営農ではございません」。農地の貸し借りや機会の共同化の話し合いの場を持つだけでも「集落営農」に入るそうです。行政の人間は普通、上の決めた言葉を忠実に使うので、驚きました。内々に農業政策の変更がもう決まっているのでしょうか?
 で、集落営農をするしないは皆さんが話し合うことですと言ったにもかかわらず、アンケートの説明はかなりバイアスの係ったものでした。「後継者がいるのは14.6%だけですね」というのですが、分母が全世帯数で、農家だけで計算すると3割近くになります。読み上げる記述は自分に都合のよいところばかり。皆さんが決めるといいながら危機感をあおり、これしかないと誘導する説明でした。アンケート自体、「心配なこと、困っていること」を書く設問はあるのですが、楽しいこと、これからしたいこと、という設問はありません。
 たしかに、このままでは先がないという意識というか雰囲気は集落全体で共有されていると言えると思います。米価も下がる一方です。
 しかし、「集落営農」でいいのでしょうか?国や農協がすすめた政策でうまくいった試しがあったでしょうか?配布された資料にはメリットしか書いてありません。今時デメリットを説明しないなんて詐欺師ぐらいではありませんか?

酵母の発酵が強くなりました

2007年09月13日 | 麹---醤油
8月下旬頃から酵母の発酵が強くなりました。空気穴を閉じておくと、2日と経たないうちに水缶がぱんぱんになります。もろみの中にも気泡がかなりあります。また、乳酸発酵臭は前より少し強くなったような気がしますが、色は変わりありません。
 もう夏が終わり秋ですが、心配だった夏のカビは問題ありませんでした。攪拌(といっても水缶を倒したり起こしたりするだけ)をさぼっていた時に表面に少し出た程度でした。