早生者日記 by K.MITSUNAGA

早生者(わさもん)=
熊本弁で「新しいものが好きな人」という意味
毎週月曜更新(2009年12月開始)

美 味/がっつりお肉!

2015年03月30日 | 美味



        人間は雑食性の生き物なのに

        野菜がいいとか果物がいいとか
        まるで肉類が敵のように悪者にされて久しいですね。
        わかっちいるけど、でも、無性に肉が食べたくなる時ってありませんか?
        そんな時の私の駆け込み寺のひとつがここ
        新丸ビルの「バルバッコア・クラシコ丸の内店」です。 

        

        以前にもご紹介しましたがここはメキシコのお店の姉妹店 
        東京と大阪に数店出店しているシュラスコのお店です。
        バルバッコアとはBBQの語源となった言葉で
        食べるのはこれ

        

        背中にこぶのあるあちらの牛 です。
        以前はこぶの部分も食べられたのですが
        最近は質が落ちたので出してないのだとか… 

        この店の魅力はお肉だけではありません。
        サラダバーの種類が豊富

        

        フルーツ類もかなり揃っています。 

        

        でもこれを食べ過ぎるとねえ… 

        

        すぐにスタッフがお肉を持って来てくれるんですもの! 
        これは鶏のハツ

        

        牛肉以外にも鶏、豚、羊、ソーセージ、チーズ、タマネギ…
        基本は串にさしてあぶった状態
        一番おすすめの”ピッカーニャ”(牛肩ロース)絶品です!

        

        骨付き部分はお盆で運ばれることも 

        

        次から次にやってくる部位の違う美味しそうなお肉… 
        もちろん断ってもいいんですがついつい…

        
 
        お腹がいっぱいになってきたらこれ、焼きパイナップル 
        切り分けてくれるものをトングで受け取ります。

        

        ここで教えられたのが赤身の肉の美味しさです。
        時々運ばれてくる和牛と食べ比べてみると
        脂の多い和牛より赤身の輸入肉の方が格段と味があるのです。

        そしてもうひとつ
        お肉をがっつりと食べた後は体と脳が喜びます。 
        人間は本来肉食だったに違いない!
        翌日は絶好調のお肌とストレスフリーの脳
        またしばらくがんばるぞ!       

 


良 縁/ぐりとぐらのカステラ

2015年03月23日 | 良縁



        誰もが持つ幼い頃の思い出の中で

        家族でどこかに行った…などの行動の思い出とは別に
        絵本や写真、音楽や料理など
        五感で覚えているものって特に強烈な気がしませんか? 

        私の体験の中にもどうしても消せない思い出がいくつかあって
        この手に、目に、舌にしっかりと残っているんです。

        手のひらに乗せたオタマジャクシの手触り
        毎週楽しみにしていたテレビアニメの主題歌
        ロバが曳いてくるパン屋さんの蒸しパンの味 
        そして、大好きだった絵本の中の美味しそうなごちそう…

        「ぐりとぐら」
        説明は不要でしょうがいまだに人気のロングセラー
        1964年に出版され 、私も娘も2世代に渡って大好きな絵本でした。

        

        2匹の仲良しネズミぐりとぐらが道ばたで大きな卵を発見

        

        あまりの大きさに家まで運べずに森の中で調理開始

        

        出来上がるのを待つ間に森の動物たちが集まってきます。

        

        親に読み聞かせしてもらう幼い子供は
        ここまでで深~くお話の中に引き込まれています。 
        いったい何ができるんでしょう。
        だって大きなフライパンにはふたがしてあって中が見えないんですもの!

        そしてついにふたをあけると、ほら、このとおり!
        黄色いアツアツの美味しそうなカステラが登場します。

        

        このページになると
        私も幼い娘に読み聞かせながら横目で彼女の顔を見るのが楽しみでした。
        娘はきらきらと目を輝かせて手をたたくのです。
        きっと幼かった私も同じようにはしゃいだに違いありません。
        こうして鮮やかな黄色い色は私の脳裏に焼き付き
        いまだにこのカステラが食べたくてしかたないのです。

        ぐりとぐらは森の仲間たちにカステラを分けてあげてみんなで楽しい時を過ごします。

        

        独り者の私はさあ、一人で作るぞ!
        もう指をくわえて見ているだけの子供ではありません。
        いざ!「ぐりとぐらのカステラ」作りに挑戦です。

        絵本では卵と砂糖と牛乳とバターと小麦粉だけです。
        18cmのスキレットを使って作りましょう。
        卵1個、卵黄1個、砂糖50g、小麦粉50g
        溶かしバターと温めた牛乳を少々…
        卵をうんと泡立てるのがコツ

        

        170℃のオーブンで30分ほど焼いたら…少しこげ色(笑) 

        

        でもね、卵黄が多いから中身はきれいな黄色ですよ。 
        絵本で想像した通りの美味しさです。

        

        半世紀もかけて願いがかなった幸福感と
        カロリーオーバーの罪悪感でぐったりな私をよそに
        食べ終わったぐりとぐらは…

        


 

 


 

 


美 味/春の苦み

2015年03月16日 | 美味



        春の野草は苦いです。

        一説によると冬眠から目覚めた動物たちが
        この苦さを口にすることで胃腸の動きが活発になり
        長い眠りの間の老廃物を排泄できて通常の体に戻るのだとか…        
        私も胃腸に喝を入れるためにも春の苦みをいただこうと思います。 

        散歩の途中で見つけたフキノトウ

        

        ささっとゆでて一晩水にさらしてアク抜きをします。
        私はここで酒と醤油で下味をつけてごま油で火を通して冷凍保存。

        

        使い方のバリエーションはまだまだ少ないですが
        まずはそのままパンに乗っけて。
        下に敷いてるのは水切りして味付けしたヨーグルト

        

        玉子料理にもとっても相性がいい…

        

        でも一番おすすめなのはやっぱりフキノトウ味噌

        

        甘めのお味噌とあえて(ここでカツオブシを加えるのもGood!)
        苦みがぐっと和らいでアツアツのご飯に最高です。
        てんぷらだみそ汁だとは一般的な食べ方ですが
        なかなかどうして! レシピはまだまだ研究の余地がありそうです。
        それもこれも散歩の道すがら見つかる環境あってのものだね。
        わざわざ買ってまではね(笑)
        こんな時には田舎に感謝!


       


良 縁/フランク・ロイド・ライト

2015年03月09日 | 良縁



        アメリカの建築家フランク・ロイド・ライト(1865~1959)

        非常に力強くかつ繊細な彼の建築物は見る者を惹き付けてやまない芸術作品です。
        世界中の多くのファンが「作品」を見て回るほどの著名な彼が
        日本に唯一残した建物があります。

        旧 帝国ホテル 

        

        1923年9月1日…
        まさに落成記念披露宴の準備の最中に関東大震災に見舞われます。
        奇跡的にほぼ無傷のまま1967年、現在の建物になるまで
        ライトの作品として世界中の人々の目を楽しませてきました。 

        その帝国ホテルの正面玄関とロビーがここ明治村にあるのです。  

        

        青空バックで最高の出会い…

        

        これをどうしても見たくて38年経ってしまった理由はこれ 
        外壁及び内装にもたくさん使われているテラコッタです。

        

        アップにするとこうです。(これは横に2個並んでいます) 

        

        38年前、美大の1年生だった私の最初のゼミの授業が
        このテラコッタを図面に起こすことでした。
        当時ゼミの助教授は本物をどこからか借りて来て見せてくれましたっけ…
        まだ10代だった私はライトの存在も、帝国ホテルの存在も知らず
        それらがみな遠い遠い世界のことでした。
        しかしこのような複雑な形状のテラコッタで作られたホテルとはどういうものか
        一度でいいから見てみたかった…もう存在しない建物だと思っていましたから。

        それが愛知県犬山市で保存されていると知ったのはかなりあと。
        そしてこの日に至ったのです。
        ちょっと涙目…

        玄関を入ります。

        

        吹き抜けの3階建てのロビー 

        

        なんて美しいんでしょう…
        至る所にオレンジ色の透かしのテラコッタと白い大谷石が使われています。
        ロビーの四隅はテラコッタの「光の籠柱」です。
        中に照明を仕込むことによって優しい光がロビー全体を包みます。

        

        現代の工芸品と並んでも遜色ない…というよりかえって今風です。

        

        巨大な大谷石使いは圧巻 

        

        これがフランク・ロイド・ライト…なかなかのイケメンで
        女性スキャンダルに事欠かなかったようです。

        

        凝りに凝って丁寧に作り上げられた帝国ホテルは
        その工期を大幅に遅らせ、また当初の予算の6倍という巨額な費用となり
        ライトは完成を見ずに日本を去らなければならなくなりました。 

        しかしそのおかげで美しい造形の数々が目の前に残っているのです。

        

        光と陰の効果も折り込み済み 

        

        ここまで残されていること自体が奇跡です。

        

        2Fにカフェがあるのですがこの日はお休みで残念… 

        

        ここもドラマや映画の撮影でよく使われるのだそうです。
        この一角は「花子とアン」で仲間由紀恵さん扮する葉山蓮子と
        飯塚の炭坑王嘉納伝助がお見合いしたシーンで使われたとか…

        

        ここでもうひとつ、私が死ぬまでに見たいもの…
        フランク・ロイド・ライトの代表作がアメリカのペンシルベニア州にあります。
        ピッツバーグから80キロほどの森の中にたたずむのは
        通称「落水荘(Fallingwater)」かの有名なエドガー・カウフマン邸です。 
        (Webから無断で拝借してしまいました…スミマセン…)

        
 
        ここは帝国ホテルより12年ほど後に建てられました。
        自然の中にひっそりと、しかし堂々と立つカウフマン邸…
        場所も場所だけに「よいしょ!」と行かなければ行けないのですが
        実現するように…みなさん、一緒に祈っててね!(神頼み?)
 

 


景 色/明治村 PART2

2015年03月02日 | 景色



        明治村には建物だけではなく古くて美しいものがたくさんあります。
        これは園内を周遊しているバス

        

        名古屋電気鉄道の「名電1号形」
        1907年まで名古屋の市内を走っていましたが
        その後札幌の市電として活躍し引退
        ちょうど期間限定で里帰り中なんですって。
        いい時代ですね。歩行者救助用のネットでしょうか…

        

        明治天皇の御料車もあります。(1910年)

        

        これは京都市電の電停を復元したもの

        

        機械だって…
        重要文化財のリング精紡機(1893年)
        すごく大きい…

        

        こちらは紡毛ミュール精紡機(1830年)
        近代日本の夜明けの時代に日本経済を支えた機械たちにちょっと感動

        

        不思議な形のこれは下関市の台場鼻潮流信号機(1909年)

        

        細かいディテールにも美しさがあります。
        刈谷市にあった菊の世酒造の仕込み蔵(1868年)
        窓の配置に目が止まります。

        

        先週ご紹介した金沢監獄の窓や壁も美しい…

        

        こんなところも手を抜かないのが明治時代

        

        今では「機能なきものはムダ」と片付けられるのでしょうか…

        

        私、煉瓦
大好きです。
        計算では出ない微妙な色のバランスが美しいんですもの。

        

        建物になればその美しさはなおさら… 
        金沢監獄の正門(1907年)

        

        こんなのもあります。
        なんという存在感でしょう!
        六郷川鉄橋(1877年)は蒲田と川崎の間の多摩川にかかっていました。
        リバプール製だったんですね。(船で運んだんだ!)

        

        品のいいデザインの灯台は 広島の小那沙島燈台(1904年)
        後ろに見える3階建ての建物の一部は日本橋の川崎銀行本店(1927年)
        残りの壁は今も日本橋に残っているとか…(現 三菱UFJ信託銀行)
        左側にちらっと見えるのは隅田川新大橋(1912年) 
        すごいな~ 屋外の博物館だ!

        

        日本橋かな…と近づくと
        皇居正門石橋飾電燈(1893年)
        新しく鋳造しなおされた時に交換された6基の内のひとつだそうです。
        青空になんとも美しい…(ひとつ欲しいなあ…)

        

        同じ街灯でもこれは今のものかな? 

        

        いくら見ても見飽きない 園内。
        さあ、来週はいよいよ私の目的のものをご紹介します。
        40年、正確には38年の時を経て会うことが出来た建物は
        ここ明治村での一番人気

        それは園内の一番奥にありました。