史上初めてとなる日本勢同士のセミファイナル。アジアの頂点への挑戦権を懸けて行われた昨夜の戦いは、これまでのG大阪と浦和のライバル関係をより一層強い絆で結んだ一戦になったのではないだろうか。昨夜の埼玉スタジアムで見られた光景を振り返る。

5.17の事件を糧に、今回の会場運営は厳重な警備体制の下で行われた。スタジアム入場の際に相手サポーターと出くわすことのない配慮とカバンの底まで丁寧に調べられた荷物検査の徹底ぶりは、試合前から会場の緊張感を生み出しており、前回の悪夢のような出来事を二度と起こさないという決意がひしひしと感じられた。サポーター同士にも密かに自制心を呼びかけるかのような配慮と警備は完璧だったと思っている。

最も印象的だったのは、試合終了後にメインスタンド側の浦和サポーターの方々からエールをもらったことだった。ちょうど、G大阪サポーターが勝利の余韻に浸り、会場を後にしようとするその時、アウェイゴール裏と、メインスタンドの境界線に大声で詰め寄る方がいる。罵声でもブーイングでもやっかみでもない。それは大きなエールだった。
「絶対、アジア獲れよ!お前ら日本の代表なんだからな!応援してるぞ!お前らみんなアデレードまで行けよな!」
「ありがとう!浦和サンキュー!」
大きなバリケードを隔てて行われたエール交換に自然と拍手が巻き起こった。それはこれまでにない光景だった。両者の間には5.17事件が常につきまとっていたが、あの事件から半年近くが経過した今、全く逆の光景が目の前に映っている現実に、素直にこの戦いの重要さと、憎しみだけでないサポーター間の本来の人間らしさが見えた。こんな素晴らしい試合後の光景が他にあろうか。試合中のそれとは比にもならない小さな拍手に包まれたやりとりは、実は、この試合の一番のハイライトだったのかもしれない。
G大阪サポーターは帰路の際も、別に専用バスを用意され、最寄りの浦和美園駅、もしくは浦和駅まで運んでもらうことになった。埼玉スタジアムをバスが出て行く際にも、“Fight Togather for URAWA”という段幕を掲げるサポーターがおり、エールを頂戴したと個人的には思っている。あのメッセージが浦和の選手に対するものであろうと、我々G大阪側に向けられたものであろうと、同じ日本勢でこの大きな舞台を戦ったライバル同士、敗者チームの分も“共に戦う”ということを忘れてはならないのだ。

選手を鼓舞するこれ以上ないクオリティの応援とその気持ちが全面に溢れ出るスタジアム。試合の合間に織り成すコレオグラフィと段幕の数々は、最早“芸術”の域に達している。そして、スタイルこそ対極的でありながらも、アジア最高のチームである浦和レッズとここで試合をできたことはG大阪のチーム、サポーターにとっても大きな誇りと自信になったはずだ。随所に互いの良さが見られた今回のAFCアジアチャンピオンズリーグ準決勝。埼玉スタジアムは最も“アウェイ”であり、“最高の場所”だった。
そして、何よりも昨夜の埼玉スタジアムには“相手へのリスペクト”があった。

5.17の事件を糧に、今回の会場運営は厳重な警備体制の下で行われた。スタジアム入場の際に相手サポーターと出くわすことのない配慮とカバンの底まで丁寧に調べられた荷物検査の徹底ぶりは、試合前から会場の緊張感を生み出しており、前回の悪夢のような出来事を二度と起こさないという決意がひしひしと感じられた。サポーター同士にも密かに自制心を呼びかけるかのような配慮と警備は完璧だったと思っている。

最も印象的だったのは、試合終了後にメインスタンド側の浦和サポーターの方々からエールをもらったことだった。ちょうど、G大阪サポーターが勝利の余韻に浸り、会場を後にしようとするその時、アウェイゴール裏と、メインスタンドの境界線に大声で詰め寄る方がいる。罵声でもブーイングでもやっかみでもない。それは大きなエールだった。
「絶対、アジア獲れよ!お前ら日本の代表なんだからな!応援してるぞ!お前らみんなアデレードまで行けよな!」
「ありがとう!浦和サンキュー!」
大きなバリケードを隔てて行われたエール交換に自然と拍手が巻き起こった。それはこれまでにない光景だった。両者の間には5.17事件が常につきまとっていたが、あの事件から半年近くが経過した今、全く逆の光景が目の前に映っている現実に、素直にこの戦いの重要さと、憎しみだけでないサポーター間の本来の人間らしさが見えた。こんな素晴らしい試合後の光景が他にあろうか。試合中のそれとは比にもならない小さな拍手に包まれたやりとりは、実は、この試合の一番のハイライトだったのかもしれない。
G大阪サポーターは帰路の際も、別に専用バスを用意され、最寄りの浦和美園駅、もしくは浦和駅まで運んでもらうことになった。埼玉スタジアムをバスが出て行く際にも、“Fight Togather for URAWA”という段幕を掲げるサポーターがおり、エールを頂戴したと個人的には思っている。あのメッセージが浦和の選手に対するものであろうと、我々G大阪側に向けられたものであろうと、同じ日本勢でこの大きな舞台を戦ったライバル同士、敗者チームの分も“共に戦う”ということを忘れてはならないのだ。

選手を鼓舞するこれ以上ないクオリティの応援とその気持ちが全面に溢れ出るスタジアム。試合の合間に織り成すコレオグラフィと段幕の数々は、最早“芸術”の域に達している。そして、スタイルこそ対極的でありながらも、アジア最高のチームである浦和レッズとここで試合をできたことはG大阪のチーム、サポーターにとっても大きな誇りと自信になったはずだ。随所に互いの良さが見られた今回のAFCアジアチャンピオンズリーグ準決勝。埼玉スタジアムは最も“アウェイ”であり、“最高の場所”だった。
そして、何よりも昨夜の埼玉スタジアムには“相手へのリスペクト”があった。











コメントありがとうございます。
はじめまして。お互い一昨日はお疲れさまでした。
浦和に勝っての決勝進出というのは重みが遥かに違います。チームもサポーターもこの重みを背負って必ずやアジアチャンピオンを手に入れたいと思います。
これからも良きライバルとして、浦和の復調を待っております。
決勝もこの調子で是非タイトルを獲得してもらえればと思います。
試合内容だけではなく、サッカーを取り巻く側面部分を書かれているところがさすがです。
不祥事は広く報道されますが、こういった良い部分ももっと報道して欲しいですよね。
僕が応援する鳥栖もいつかこのような場に立てれば・・・僕が生きてる間に・・・
まずは昇格しないといけないですが(汗
日本でサポーター同士の争いが起こるなんて信じられなかったですが、最終的には、こうやってちゃんと融和ムードになれるのも、日本人の良さですね。
さて、オーストラリアはW杯も含めて、日本をライバル視してきましたし、JリーグをモデルとしたAリーグもあります。代表では、すでにちょっと差が出てきた感がありますが、リーグとしてはJリーグが先輩です。先輩として、何とかアデレードには勝って欲しいものですね。正直、オーストラリアのサッカーがここまで強くなってきたのは、意外ですが、スポーツに関しては、国が大きな予算を組んで強化に地道に取り組んで来たので、ここに来て結果が出てきているのかも知れませんね。もしかして、アデレードには来れられますか?もし、そうなら宿の予約ならお手伝い出来ますよ。
僕も5.17埼スタを経験した一人です。
今回はTV観戦だったのでスタンドの状況が解らずましてやこんな報道も無いので、気になってました。
でも、良い話しを知れてとても嬉しく思いました。
アデレード本気で行きたくなりました・・。 仕事で無理なんですけど(残念)
コメントありがとうございます。
ご無沙汰しています。
鳥栖の動向は依然注目しております。
何とか昇格を果たして頂いて、将来的にアジアの座を戦うことを願っています。
まだJリーグ開幕して15年でこれですから、鳥栖も全然可能性があると思いますよ!
埼玉スタジアムであの雰囲気の中リーグを戦って頂けることを祈っています!
>すしさん
コメントありがとうございます。
日程的な関係で、オフィシャルツアーが非常にコンパクトな日程を組んできました。
前日の深夜出発で帰路は木曜の夜にチームチャーター機でという日程です。
それで向かおうと思っております。
ご配慮感謝します。
既にアデレードにいる知人からも連絡が来ています。
現地の方もガンバが来るのを楽しみにしていますね。
申し訳ないですが、アデレードには負ける気がしません!
>さんたさん
コメントありがとうございます。
本当に試合終了後のわずかな光景でしたので、どうしても浦和にフォーカスが当たる報道ではすくえない所だったと思います。
試合ももちろんですが、そういった面でもライバル同士の良い関係が垣間見られて本当に良かったと思います。
僕はガンバサポも声出てたし統率された素晴らしい応援をしていたと横で見てて思った。
今年はガンバさんに勝ってないから11月の万博で勝ってリーグ優勝を決めたいのでよろしく
“埼玉スタジアムで見た光景”を読んで温かい気持ちになりました。
このブログに出会えて良かったです。
ガンバには決勝戦でも頑張ってほしいです。
はじめまして。
コメントありがとうございます。
そういったお言葉を頂き、嬉しい限りです。
未曾有のヤマ場を迎え、リーグ戦も挟みますが、チームには平常心で決勝に臨んでほしいですね。
私は、11月の万博での浦和戦には行けないのですが、その時にお互いリーグの覇権を奪い合える状態になっていることを願います。
まずは、アジア王座を懸けた決勝を乗り越えますよ!
>西崎 涼さん
コメントありがとうございます。
そう言って頂けるとありがたい限りです。
今後もこういったシーンを拾って書いていければと思います。
11月には万博でFC東京戦もありますし、引き続き切磋琢磨よろしくお願い致します。
悔しくて情けなくてやりきれない。
でも、記事読んで逆に去年「、私たちはセパハンを応援します」と宣言されたの、逆に思い出しちゃったけど。
(マジ忘れてた)
でも、そんなひとコマがあったのを知れて素直に嬉しい。
今の自分にはまだ言えないから。
書いてくれてありがと。
正直アデレード本命だと思うけど、
ガンバ強かったよ。
去年、うちもそうだったけど、最後まで勝つ!
って信じてる方が勝つよ。
ちくしょー!また泣けてきた…
関西人、応援しろよ!
コメントありがとうございます。
ささやかなシーンでしたが、あの日のスタジアムでは非常に印象的でした。
我々も昨年、浦和の優勝を複雑な、そして応援する気持ちで観ていました。
ただ、ここまで来たら負けられません。浦和の皆さんの悔しさも全て背負って戦います。チームを鼓舞します!