陶芸工房 朝

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うつくしきものー水のある町

2017年06月08日 | 旅の記録

   ポンポンというエンジンの音で目覚めて窓の外を見ると、宍道湖を目指して川面を走っていくボートの姿が見えました。シジミ採りのボートです。ボートは、船体をやや傾け、水面に垂直に突っ立った人を乗せて、朝の光の中をかなりのスピードで走っていきます。町の中心を流れる大橋川から出発して、宍道湖に向かい、そこでシジミを採るのです。それには時間制限があるらしく、シジミをとリに行った舟は、時間をおいてまた大橋川に戻り、今度は川べりでシジミの選別作業をしています。

   松江の中心を走る大橋川は、中海と宍道湖とをつなぐ水路のような役割をしていて、初夏の青空の下、キラキラと輝く水面をモーターボートが行ったり来たりしています。水の町の豊かな彩です。

 

操業風景

               宍道湖には約300名のシジミ漁業者がいて、シジミ漁の風景は宍道湖の風物詩となっています。

                漁業者は「ジョレン」という漁具を使って、シジミを漁獲し、大きさをそろえて出荷します。 

 *

「松江」といわれても、なぜか私には「宍道湖と小泉八雲」しか思い浮かびませんでした。

松江が、松江城を中心にした水の町であることを、今回初めて知ったのです。

 

 

 松江城を囲うように張り巡らされた堀の中を、松江めぐりの乗り合い小舟が走っていきます。

  近場の舟付き場から船に乗り、船をおりて用事を済ませて、また次の目的に向かって船に乗る、そんな乗り継ぎもできます。舟付き場が適当な距離にあって、道でタクシーを拾うように、舟に乗れるのです。私も、松江城を見た後、また舟に乗って、次の目的地まで移動してみました。

  小舟はゆっくりと川面を走ります。時々船頭が[頭を下げて…」と言うので、乗客は思い切り体を曲げて身を屈めます。すると、するすると舟の屋根が下がってきて、低い橋脚の下を渡るのです。         時には舟幅いっぱいの水路を通り、時には川岸で洗い物をする水辺の暮らしを横に見ながら・・・ 、鷺がゐたり・・・、カメが甲羅干しをしていたりする・・・水辺を、ゆったりと走ります。

 このひと時代昔にタイムスリップしたような体験、船の料金が、一日乗り放題で1230円(割引あり)というのも、観光客にはうれしいもてなしです。

 

川面行く  松江の旅に   栴檀花

*

  その昔、まだ車がなかった時代、人々の移動手段はひたすら自分の足で歩くことでした。歩いて歩いて、ひたすら歩いて、江戸までも行ったのでしょう。でも人間の足と手だけでは大量の物は運べません。流れる「水」の力を借りて物を運搬する手段を手にしたのは、画期的な発明だったことでしょう。「水」は、人々の暮らしと共にあることで、その意味をまし、なくてはならない道具になりました。  ガソリンがなくても動く車でした。

*

古きよきものが今と共存し、自然が自然として大切にされている、

この町の居心地の良さは、そうした等身大の暮らしの匂いが、今もあることのような気がします。

松江は、美しい水の町でした。

日本海からの強い風や雪の降る季節に、もう一度来てみたいまちです。

 

 

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