夢のあと

釣りには夢があります。夢を釣っていると言っても過言ではありません。よって、ここに掲載する総ては僕の夢のあとです。

元気出して!

2017年05月04日 07時45分43秒 | 社会
母が他界して丁度一ヶ月が経ちました。
長年時間を共有してきた母が居なくなって、急に元気がなくなった父を元気付けようと家族で温泉に行って来ました。勿論、ひょうきんで笑顔を絶やさなかった家族の人気者の母がいなくなったのですから家族全員が傷心なはずです。僕も母の他界に加えて15年暮らしてきた愛犬を一ヶ月前に亡くしたばかりでしたので、努めて元気に振舞うのが精一杯の状況ではありましたが、やはり長年母と暮らして来た父の落ち込みが一番で、どうにかしてここから盛り上げようと考えた結論でした。
 いままで家族全員が母の介護に没頭し、どちらかと言うと元気だった父は放っておかれた状態。というか、父も母の介護に参加して一生懸命にやってくれました。そんな父も90歳。体力も衰え、張っていた気持ちが一気になくなってしまったことからか、気が付けば一昔前のようなパワフルさがなくなってしまいました。母が他界してからそんな時間が経っていない中、家族旅行なんて不謹慎と思われる方がおられる事は重々承知していますが、母が他界した今、元気をなくした父が僕らに残された唯一の親です。元に戻って欲しいなどという贅沢は希望しません。ただ、なんとかそんな父が一歩先に進むきっかけを作ってあげたいと考えたのです。そんな企画ですから母もきっと喜んでくれるはずです。そして父が希望した行き先は温泉。温泉につかってのんびりとした時間を家族で過ごしたいと。

 温泉といえば山、山と言えば渓流・・・母と愛犬の介護に追われ、大好きな渓流釣りに二年半も行っていない僕です。渓流釣りにすこぶる飢えているのでこれは好都合・・・と思ったものの、目的が父の元気付けなので、その父がゆっくりした時間を過ごしたいとなると、僕一人がガサゴソとせわしなく動くわけにはいきません。そんなことをしたら母も悲しむでしょう。今回は釣りを諦め、仕方なく丸腰で行って来ました。
 趣味が釣りという人は困ったもので、基本的に水があればどこでも釣りをすることが可能ですので、チョイの間があれば竿を出せてしまいます。要は心は水辺にあるのです。旅先のどこにでも海や川、はたまた湖沼などがあります。水は人の気持ちを和ませますから、特に観光地などでは必ず水があり、そこにはそれぞれの魚が棲息しています。要は行き先に関係なく、禁漁期や禁漁区でなければどこに行っても釣りができてしまうのです。勿論海釣りしかやらないとか渓流釣りしかやらないとか、そういう人たちはそれ以外の場所に行ったらお手上げなのですが、僕の場合何でも屋ですから海でも川でも湖沼でも、とにかく水がありさえすれば何かしらの釣りができてしまうので困るのです。その釣りは、ほとんどの場合新たな場所で竿を出すのですから新鮮な気分での釣りですからたとえ僅かであっても楽しいひと時となるのです。しかも普段やらないような釣りだったり、普段行っている場所には居ない魚が釣れたりしますから興味津々な釣りとなるのが普通です。今までの家族旅行で竿を持って行かない時は希で、ほとんどの場合、事前に行き先の釣り情報を調べてそれに合わせた釣り具を最小限に持って僅かな時間でも、ご当地の釣りを楽しんで来るのが常でした。それが僕が家族旅行に行く目的でもあったのです。
 そんな僕が今回は丸腰。温泉の場合、川に魚が棲んでいない場合もあるので、一応ご当地付近の釣り情報を調べちゃいました。案の定ヤマメが釣れると。喉から手が出るほどの情報です。しかし今回は諦めました。
 そして、家族とのんびりとした時間を過ごして来ました。と言うと、いい旅ができたように思うかもしれませんが、僕にしてみたら残念な旅行となったわけです。それどころか、例えれば腹が減って仕方がない状況下で極上のステーキを目の前に出された上『食べちゃダメ』と言われているようなものです。ある意味僕にとっては拷問のような旅行でした。判っていた事とは言え、温泉が好きになれない(過去にひどい経験がある)僕は温泉を楽しむわけでもなく、ただ部屋の窓から人が作った自然(庭園)を眺めるだけ。何もすることのない無駄な時間を過ごして来たと言っても過言ではありません。それでも目的は父を元気付ける事ですからつまらなそうな顔はできません。今回の旅行の間、精一杯楽しげに振舞っていた僕は父の目にどう映ったのか?
 ・・・元気になってくれればいいのですが。。。
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2 コメント

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Unknown (私役所)
2017-05-15 23:21:07
親孝行の一方、釣りへの葛藤を淡々と吐露されていてなかなか優れたエッセイですね。
写真も文章とぴったりです。
お元気で。
Re:Unknown (管理人)
2017-05-16 17:39:24
私役所様
いつもコメントをありがとうございます。
 亭主を亡くした奥様と女房を亡くした亭主って全然違う事が多いように感じませんか?僕の回りがたまたまそういう人が多いのか、はたまた男と女の習性の違いなのか解りませんが、亭主を失った奥様は亭主亡き後は遊びまくる人が多い中、女房を亡くした亭主は元気をなくして暗い余生を過ごしている人が多いです。そして僕の父もそうなりつつあるのです。元から社交的ではない父ですから尚更なのですが、我が子だけが頼りのように感じます。姉もそれを感じてこのままにはできないと感じ、日々の生活の中でも何とか元気が出るように様々な工夫をこらしています。勿論僕らだって母を亡くし、僕はその一ヶ月前に人生の1/4を共にして来たワンコを亡くしたのですから悲しくないはずはありません。でも父よりは若いですし、僕ら自身もこれをすることによって悲しみから少しだけ遠ざかる時間を持つことができます。
 今回の旅行はかなり大成功だったので、また父を誘っていますが、なかなかいい返事がもらえません。強制的に連れ出そうか?なんて事も考えてます。
 何でもいいから早く元気を出して以前の父に戻ってもらうよう、こちらとしてはできるだけの努力をするだけです。
 これじゃー、まだ釣りに行けません。っていうか、行くことは可能ですが、釣りしていて楽しくありません。
 一難去ってまた一難ってところです。

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