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日本の二人のベテラン・ピアニスト

2017-12-17 | JAZZ
日本のベテランピアニストのアルバムを取り上げてみました。
この2枚はいずれも菅野沖彦氏による録音盤で、演奏と録音の両方を楽しむことが出来ます。

最初は1930年生まれの八城一夫から、
「サイド・バイ・サイド」は同シリーズに3枚ありますが、これはその中の2番目のアルバムで、A面はピアノとギター、B面はピアノとベース(1曲のみドラムスを加えたトリオ)でのもので、ベーゼンドルファーとスタイン・ウエイの2種類のピアノを別々に弾き分けていて、その音色の違いを聴くこともできます。

「SIDE by SIDE 2.」 AUDIO LAB. ALL-1042
  
A面
1. SHE′S FUNNY THAT WAY
2. IF I HAD YOU
3. SO TIRED
4. AGAIN
5. C′EST MAGNIFIQUE
6. MY SILENT LOVE
ハ城一夫(p) 原田政長(b) 潮崎郁男(g)
録音 1975年10月11日 青山タワー・ホール
B面
1. WHEN I GROW TOO OLD TO DREAM
2. LOVER MAN
3. JOY SPRING
4. DAY DREAM
八城一夫(p) 原田政長(b) 五十嵐武要(ds)…1のみ
録音 1975年10月13日 イイノ・ホール
透明感のあるベーゼンドルファーで聴くA面は、ピアノを中心に左にベース、右にギターを配していて、ピアノの一音一音の澄んだ音色や、ギターが刻む音色も心地よく響く好録音です。
A面に比較しB面は、耳慣れた音色であり、最終曲の「DAY DREAM」では、しっとりしたピアノ・ソロが堪能できます。

続いて1932年生まれの世良譲、
白木秀雄のグループに在籍していた時代にはベルリン・ジャズ・フェスティバルも経験しており、モダンからスイングまで何でもこなし、生前はテレビにも頻繁に出演していました。
色々なピアニストの雰囲気も持っており、軽快にスイングするところは、正にテディ・ウィルソンを彷彿させるところもあります。
こちらは八城さんのアルバムのB面との同じ場所での録音で、二人のピアノタッチの聴き比べも出来ます。
音の粒立ちは上記のほうが際立っているのですが、少しノイジーっぽいこちらのほうが、ジャズらしい音であると感じています。
ちなみにタイトルの「BACCHUS」は、ローマ神話の酒神の意味もあり、お酒が大好きだった世良さんにピッタリかもしれません。
「BACCHUS SWING」 TRIO PA-7087
  
1. MAC′S BLUES
2. PEG O′MY HEART
3. AFTER YOU′VE GONE
4. MISTY
5. SHINY STOCKINGS
6. MY IDEAL
7. SOFTLY AS IN A MORNING SUNRISE
8. THANKS FOR THE MEMORY
世良 譲(p) 栗田八郎(b) 原田イサム(ds)
録音 1973年9月13日 イイノ・ホール
八城さんのアルバム同様、ピアノを中心に左にベース、右にドラムスを配置しており、1曲目の「MAC′S BLUES」は、後半にベース・ソロやドラムスとの4バースも織り込んで、冒頭から結構激しいプレイを展開しています。
A面最終曲の「MISTY」は、作曲者のエロール・ガーナーとは違ったアプローチのピアノ・ソロで、まるでラウンジで聴くような雰囲気を持った演奏となっています。
カウント・ベイシー風なタッチも顔を出す粋な演奏の「SHINY STOCKINGS」や、少し早いテンポで演奏される「SOFTLY AS IN A MORNING SUNRISE」は、スイング感たっぷりで、ベースやドラムスのソロ・スペースも十分与えられています。
「忘れないでありがとう」という粋なタイトルの最終曲は、レッド・ガーランドもどきの装飾音を散りばめての演奏です。
このアルバムをしっかりと支えているベースや、ブラシを軽快に操るドラムスのベテラン二人のプレイも際立っています。


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