ちょっとひと言

日頃の自らの経験を通じ感じていることや身近な出来事を綴っていきます。

歌会始の儀

2007年01月19日 | Weblog
 1月15日、全国市長会会長である山出金澤市長の都合で、副会長である私が、新春恒例の「歌会始の儀」に出席する機会を頂戴した。モーニング姿で定刻に皇居の坂下門から入った。
 宮殿の中の控室に案内されたが、控室といってもたいへん広い部屋であった。聊か不思議に感じたことは、数多くの小さなテーブルの上に置かれた磨き抜かれた銀製の容器に入ったタバコと灰皿であった。残念ながら、今日に備えてタバコを自粛していたので吸うことができなかった。
 宮殿松の間において、天皇皇后両陛下の御前で、一般から詠進して選に預かった歌、選者の歌、召人の歌、皇族殿下の歌、皇后陛下の御歌と続き、最後に御製(天皇の作られた歌)が「務め終へ歩み速めて帰るみち 月の光は白く照らせり」と詠まれた。三回厳かに独特の節回しで読み上げられた。85名の陪聴人は厳粛な気持ちで起立して、御製を聞いたのである。これで両陛下はじめ皇族方がご退席になり、私たちも解散したのである。
 「歌会始」は、鎌倉時代中期ごろに「歌御会始(うたごかいはじめ)」として年の始めに歌会が催され、現在の「歌会始」となったのは大正15年で、皇室儀制令が制定されその附式に歌会始の式次第が定められた。しかし、大正天皇崩御のため、実際は昭和3年からだそうである。
 古式ゆかしき感がし、何かタイムスリップしたようでもあるが、たいへん得難い経験であった。ありがたいことである。

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