あさずき CINEMA CITY

映画の話をまったりと書くブログです。

広告

※このエリアは、60日間投稿が無い場合に表示されます。記事を投稿すると、表示されなくなります。

『耳をすませば』~最凶の鬱映画~

2016-12-31 02:24:28 | アニメ・邦画
※ネタバレしています


小学6年生の頃、僕には好きな子がいました。
絵がとても上手で、当時流行っていたセーラームーン風の絵柄で漫画を描く子でした。
僕は奥手な性格。
なかなか仲良くなることが出来ませんでした。

しかし幸運だったことが1つあります。
それは僕も絵を描くのが得意だったということ。
絵を見せるのをきっかけに親交を深め、卒業間近には一緒に絵を描いて遊ぶほど仲良くなりました。


このような体験から、僕はジブリ映画『耳をすませば』がとても好きな作品です。
月島雫と天沢聖司が共通の趣味から親交を深めていく過程に、つい自分の過去を投影してしまうのです(聖司が本当に読書好きだったのかはわかりませんが)。



過去の投影というと、僕にはもう1つ共感するところがあります。

それは創作活動に没頭した経験があること。
雫は一本の小説を書き上げるために、食事も寝る間も惜しんでひたすらペンを執っていました。
僕も夢中で漫画を描く少年でした。

雫は小説の執筆から学んだことを糧に、次なる一歩を踏み出しました。
一方僕の物語はというと、すでにその二歩くらい先まで経験しています。
しかし残念ながら雫が思い描いているような結果にはなっていません。


漫画を描かなくなったわけではありません。
大人になった今でも漫画の仕事に携わっています。
ただみなぎる探究心や向上心が、学生の頃をピークに少しづつ失われているのを感じるのです。

地球屋のおじいちゃんの言葉を借りるなら、大切なのは「自分の中の原石を見つけて、時間をかけてみがくこと」
やらなければいけないこと、やるべきことがわかっているのに、なぜ出来ないのか。
かつては雫のようにあんなに楽しく頑張れたのに……。



結局僕は、好きだった女の子に気持ちを伝えることが出来ないまま、小学校卒業の日を向かえます。
中学で別のクラスになってしまったため徐々に疎遠になっていきましたが、僕の想いは変わらず密かに恋心を募らせていました。
しかし中学2年の時、学校の帰り道でイケメン男子と手を繋いで歩く彼女とバッタリ出会い、その瞬間に僕の恋は終わります。



僕が仕事を終えるのはいつも深夜。
雫が食べていた美味しそうな鍋焼きうどんを思い出しながら、赤いきつねを頬張り一日を労います。
そして雫と聖司の恋が実った明け方、スイッチをオフにして眠りにつきます。

夢と恋の両方でキラキラと輝きながら幕を閉じる『耳をすませば』。
羨ましく、憎たらしく、でも懐かしい、最凶の鬱映画です。

この作品を観ると、心の奥底で何かが燃えるのを感じます。
まだ僕の中にも原石を磨く情熱が残っているのでしょうか。


『映画・DVD』 ジャンルのランキング
コメント   この記事についてブログを書く
この記事をはてなブックマークに追加
« 『リング』~自分の世界の内... | トップ | 『パンズ・ラビリンス』~ハ... »

コメントを投稿

アニメ・邦画」カテゴリの最新記事