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京都市西京区〜向日市にかけて、主に国道171号線の地下に建設された「いろは呑龍(どんりゅう)トンネル」。
洛西地域は、その昔 長岡京が10年足らずで平安遷都に至る原因の一つにもなったほど 昔から洪水被害が多い場所です。
豪雨の際、地表の河川を流れる大量の水を一旦このトンネルに取り込んで、河川の水位が下がってから、徐々にポンプで汲みだすという、
いわば細く長いトンネル式の「地下貯留ダム」です。
来たる10月11日から供用開始される為、一旦 水が入れば、後は見学不可能となるらしく、今回が最初で最後のチャンスとか。
そういうものには目がないワタシ。ダメ元で応募したら、何と!当選したのでイソイソと見学会に行って来ました。
今回は説明の為、ちょっと写真がかなり多めです。
"いろは(IROHA)"の
「I」はInnovative(知識・技術の革新を目指す)
「R」はRecyclic(リサイクルを目指す)
「O」はOrganic(有機的な結びつきを目指す)、
「H」はHuman(人間味のある)
「A」はAquatic(水の)
プロジェクトという意味だそうで、呑龍とは「大雨を呑み込む龍(トンネル)という意味だそうです。(パンフレットから抜粋)

国道171号線を京都方向に見た図。
この道は今までに数え切れないほど走っているけれど、知らん間にこの下に長大な地下トンネルが出来ていたなんて…

この大きな丸い物体は何ぞや?(大きすぎて写りきらない) 実はコレ、立坑と呼ばれる深さ23メートルの穴のフタなんです。

受付を済ませてから頂いた"入坑証"。地上に上がってきたらこれを回収して、全員が無事戻ったかどうかを確かめるそうです。
戻らない人がいたら、そりゃ一大事ですわな〜(笑)

ここが、異界の入口。(じゃなくて、トンネルの立坑入口です)

では地底探検に出発!みなさん、期待と不安半分半分で 恐る恐る降りて行きます。

この構図が何だか わかりますか? 答えは、立坑を上から見下ろしたところです。
下にいる人の大きさで、どれ位 深いかわかりますよね。意外と手すりが低いのでハッキリ言ってかなり怖かったです。

これが立坑を下から見上げたところ。深さは約23m、8階建ての高さに相当するそうです。天井が、さっき写ってた「フタ」部分です。

立坑の水位ゲージ。「1」の数字をちょっと超えた辺り、黄色から赤色に変化するところが東京湾の平均水面1.22mを表しています。
ちなみに「0」がこの管渠の満管時の水位だそうです。(難し…)

この二本のパイプでこの管渠に溜まった水を、雨が止んでから汲み揚げて、近くの西羽束師(にしはづかし)川に放流するそうです。
ちなみに、満管水位になった時は全部汲み出すのに48時間かかるそうです。

職員さんに先導されて、どんどん奥へと進んで行きます。

これが雨水を貯留するトンネル本体。正確には「管渠(かんきょ)」と呼ぶそうです。管の直径は6.1mあります。
大雨の際にここへ水が流れ込んで溜まってゆく… そうそう、今後はライブカメラで その様子が見られるそうですよ!

今まで、半世紀近く生きてきて初めて見る風景… もう最後の風景だと思うと、しばし感慨にふける。う〜ん…

立坑から2回直角に曲がった「管渠」は、ここから国道171号線の地下を進みます。

この先、171号線の地下23メートルを約1キロ歩きます。この辺りで入坑後、約10分。(全然向こうが見えないや…)

途中にメモリアルの書き込みコーナーが…

おっ!向日市長さんも 今日見学に来たはったんや〜^^

ここの交差点も、会社帰りに時々バスで通ってるなぁ…
このまま地上に戻れなくなったらどうしよう…とチリ鉱山の落盤事故の事がふと頭をよぎる…(笑)

なんだ、この怪しげな電飾は? ここは地下コンサートの会場ではありませんw
何を隠そう、ここが見学できる管渠の終端部なのです。一応終点ということで心づくしの装飾がされている訳です。
それより関係者の方が自信をもっておられたのが、この異口径の接続点。
この工法は大きなシールドマシンの中に小さな同マシンを入れて、最初は親子一体で掘削を進め、小径部分になってからは
子機を押し出して掘削する(多少ニュアンスは違うと思いますが、専門家でないので ご容赦を…)
「ハイブリッド親子シールド工法」と呼ばれるものだそうで、この工法自体は それほど珍しい工法ではないが、
この現場のように、全長4キロにも及ぶ区間に途中立坑を設けずに完工したのは珍しく、土木学会関西支部の技術賞を受賞されたそうです。

ここから先は管渠の直径が半分になり、足元も悪く危険なので 見学はここまで。
管渠は、この先「阪急洛西口駅」辺りまで、約2.8キロほど続いています。なお、途中に立坑は一切ないそうです(恐!)
ここから再び1120mを歩いて引き返します。何だか早く地上に戻りたくなってきた(笑)

管渠の躯体を構成する「壁」をセグメントというそうで、これは打設開始地点から数えて記念すべき?1000番目のセグメント。
見学終端地点まで行くと1065という数字が見えました。
見学を終えた感想は、このような大規模な構築物を地下20メートルの深さに作れる土木技術の進歩に驚くと同時に、
理系出身であろう現場技術者の方たちの自信に満ちたいい顔とその説明に、世の中のインフラを支えているのは主に理系の人達なんだなぁ…と、
文系のワタシはちょっと引け目を感じました(笑)
ただ、同じような東京の施設を何かで見た事があるので、京都のはトンネルが主体で 意外に地味な感じがしました。
それでも崇高な目的を持った 素晴らしい施設には違いありません。他の都市に自信を持って誇れる施設だと思いました。
豪雨は降らないに越した事はありませんが、もしもの時には災害防止の為に どんどん活躍してほしいですね〜 ^^/