Are Core Hire Hare ~アレコレヒレハレ~

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人と電脳のこれから

2013-04-13 21:43:59 | コラム

先日の記事(コンピュータが人を超えるとき)でご紹介した「第2回電王戦」の第4局が本日催されました。
将棋ソフト「Puella α」が塚田泰明九段に引き分け、ソフト側の2勝1敗1分となりました。
将棋ソフトの特性上苦手とされる「入玉」という奇策(?)を講じた末の粘りに粘っての引き分けだったようです。

対コンピュータの歴史が浅いため、実際にプロ棋士たちが対策を立てればまだまだ戦績を巻き返すこともできるはずです。
が、一方でコンピュータと人間の発達の速度では明らかに前者に分があるので、単純な勝ち負けでは最終的にはコンピュータに軍配が上がるでしょう。

であるならばこの後の将棋の世界はどうなっていくのでしょうか?

例えば、物理学の世界ではもはやパソコンのプログラミングができないことには学者としてやっていけません。
もっといえば演算能力が優れたスーパーコンピュータでシミュレーションしないことには予想の検証も難しい分野になりつつあるようです。
化学も同じで分子の組成をシミュレーションするソフトがウン千万もっとしますし、高等数学でも数学者達は皆パソコンを使って研究をしています。

将棋も同じことになっていくはずです。
おそらく今の若い棋士の中にはそうしている人もいるのではないでしょうか?
自分の思いついた指し筋の検証をソフトを使って改善して行ったり、逆にソフトの一手からヒントを得たり…

こうしたことは一般人も無関係とはいえません。
人とパソコンの付き合いがそうして切っては切れない関係になっていき、暗記や計算はスマートフォンが更に進化したような携帯パソコンに任せるのが当たり前になっているかもしれません。
学校や資格の試験も当たり前にパソコン持ち込みが許され、仕事や家庭でのメモやスケジュール管理も携帯パソコンがやってくれる…
そうなった時、肝心の人間が二桁の計算や簡単な暗記もできなくなっていたとしたら本末転倒です。

しかし、こういう現象は既に起こっているといえるでしょう。

きっと弥生時代の人からすれば電気ガス水道がなければ数日と生きられない現代の我々を見て、社会全体の文明は遥かに進んでいる割にひとりひとりは自分たちよりバカになっているように感じるのではないでしょうか。

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※web小説‐伝承軌道上の恋の歌‐初めから


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