浅井久仁臣 『今日の中東』

1971年のパレスチナ初取材から、30有余年中近東を見続けてきたジャーナリストが独自の視点をお届けします。

私の視点 イスラエルがパレスチナに送金?

2007年01月22日 | Weblog
 イスラエルが先週、パレスチナに1億ドル(約120億円)の金を送った。  と言っても、イスラエルがパレスチナ人を可哀想だからと人道支援したわけではない。  前にもお伝えしたが、パレスチナはイスラエルにいまだ事実上の軍事占領を受けており、貿易や商行為までもがイスラエルの管理下にある。イスラエルは、様々な理由をつけて関税や付加価値(消費)税を“代理”で徴収、後になってそれをパレスチナ自治政府の財務 . . . 本文を読む

イラクのパレスチナ難民

2007年01月17日 | Weblog
 パレスチナ自治区の失業率は正確なデイタはないものの軽く5割を超えていると言われている。イスラエルの長年の軍事占領でパレスチナ経済は疲弊しており、まともな職はない。そこで、パレスチナ人は世界各地に仕事を求めて散らばっている。  欧米はもちろんのこと、アラブ諸国にも多くのパレスチナ人が「出稼ぎ」している。だが、出稼ぎには何の保証もない。だから、いったん出稼ぎ先の政情が不安になれば、もろに影響を受け . . . 本文を読む

15日のパレスチナ

2007年01月16日 | Weblog
 15日もパレスチナ自治区は平穏ではありませんでした。  ガザ地区では、イスラエル軍の発砲により2人のパレスチナの若者が命を失いました。そして、西岸地区のナブロス、ジェニン、ベスレヘムではイスラエル軍の“ゲリラ狩り”により10数名の若者が連行されました。 . . . 本文を読む

首脳会談か

2007年01月16日 | Weblog
 ブッシュ政権の中東政策に大きな動きが見られる。  先日のTV演説でブッシュ大統領は、イラクにおける「負け戦」にさらに2万人余の増兵をするという大きな賭けに出たが、パレスチナ問題においても現状打開に動き出した。  パレスチナとイスラエルを訪問して和平会談再開を狙うライス国務長官は15日、イスラエルのオルメルト首相と会談を行ない、その後で行なわれた記者会見で成果を強調、米主導の和平会談の再開が近 . . . 本文を読む

ゲイツ米国防長官が楽観論

2007年01月13日 | Weblog
 ゲイツ米国防長官は、上院軍事委員会の公聴会で12日、米軍2万2000人増派などのイラク新政策に基づく作戦によって治安が大幅に改善すれば、「今年後半には(米軍は)撤退を開始できる環境が整う」と述べた。  ブッシュ政権の新構想は、増派でバグダッドの治安を回復して苦しい局面の打開を図ろうとするものだが、米側の思惑通りに進むとは思えない。それは、イラク政府が本格的に民兵組織解体などに取り組むとは思えな . . . 本文を読む

ブッシュ氏 TV演説

2007年01月12日 | Weblog
 ブッシュ大統領のTV演説をご覧になった方もおられるだろうが、私は見る機会を失ってしまった。夜のニュースで紹介されたものを見る限りでは、ブッシュ氏の表情には余裕が感じられなかった。と言うか、その表情に焦りに近いものが見て取れた。  ブッシュ氏を見ていると、小泉氏という人はつくづく強運の持ち主だと思う。米軍に比べれば、自衛隊が派遣されたところははるかに安全なところとはいえ、それでも戦時下であること . . . 本文を読む

ゲリラ狩り

2007年01月11日 | Weblog
 ファタハとハマースの武力衝突に内外の報道の関心が集まる中、イスラエル占領軍の西岸地区における“ゲリラ狩り”が日常的に続けられている。  10日も、ベスレヘム、ジェニン、ナブロス、ジェリコといった主要都市又はその周辺の村で、活動家と疑われた若者達21人が逮捕令状もないまま連行された。  こうして逮捕連行された“活動家”は、イスラエルの刑務所又は拘置所に拘束され、その多くは正規の裁判も受けられぬ . . . 本文を読む

ガザで武力衝突再燃

2007年01月10日 | Weblog
 いったんは収まったかに見えたファタハとハマースの武力衝突は9日、再びガザ地区で再燃、ハマース側に少なくとも6人の負傷者が出た。  今回の事件の発端は、ファタハの治安部隊によるハマース活動家の身柄拘束であった。両者の情報を総合すると、4人の活動家と1人の武装した男は深夜に車で移動中に治安部隊に捕まったようだ。  ファタハ側は、5人の男たちは何らかの計画に関与していると見ており、数時間拘束して取 . . . 本文を読む

ブッシュ大統領 新イラク政策発表へ

2007年01月09日 | Weblog
 ホワイト・ハウスは8日、ブッシュ大統領が10日午後9時(日本時間11日午前11時)に全国民に対してTV演説を行うと発表した。演説の内容は明らかにされていないが、これまでの報道を総合すると、最大2万人規模のイラクへの増派計画など新たなイラク政策が主体となる見込みだ。  報道では、新政策はイラクの現状を打破するために打ち出されたものとされているが、どう見ても、その内容が内戦状態のイラクに役立つとは . . . 本文を読む

ハマース治安部隊の非合法化

2007年01月07日 | Weblog
 パレスチナのアッバース大統領が6日、自治政府の内閣を握るハマースに対して先手を打った。ハマースの「治安部隊」の非合法化を宣告したのだ。  ハマースのガザ地区における治安部隊は、一年前の総選挙の勝利を受けるような形で誕生し、市中を武装して治安活動にも関与するようになり、大統領の息がかかる正規部隊や警察と対立するようになった。  これまでに何度も双方が武力衝突してきたが、年が明けて3日4日と連続 . . . 本文を読む