浅井久仁臣 『今日の中東』

1971年のパレスチナ初取材から、30有余年中近東を見続けてきたジャーナリストが独自の視点をお届けします。

イスラエル新政権の行方

2006年03月30日 | Weblog
 イスラエル総選挙は即日開票の結果、カディマが28議席を獲得して第一党になったのに続き、カディマと連立政権を組む予定の労働党が20議席を確保しました。第3番目の勢力には、ユダヤ教超正統派を自負するシャースが13議席を得て躍進しています。  シャース党はこれまでカディマや労働党とは距離を置いていましたが、オメルト首相代理の周辺では連立政権入りとの見方が出ており、もしそれが事実ならこの3党で過半数を . . . 本文を読む

イスラエル総選挙

2006年03月29日 | Weblog
 イスラエルの国会選挙は28日、投票が行われ、報道機関の出口調査によると、カディマが30議席前後を獲得し、第1党の座を確保。カディマを中心にした「中道連合」が過半数の60議席を上回る勢いとされています。  投票率は、3年前の68%という当時の史上最低の数字をさらに下回り、63%になったと発表されました。これは、今後様々な分析がなされると思いますが、私はイスラエル国民の国家の将来に対する迷いが現れ . . . 本文を読む

新内閣誕生

2006年03月29日 | Weblog
 パレスチナ評議会(議会)は28日、自治政府首相に指名されたハマースのイスマイル・ハニヤ氏が提出した閣僚名簿を賛成多数で承認しました。新内閣は数日中にも発足する予定です。  ハマースは、イスラエルとの和平交渉路線の維持に務めようとするアッバース大統領の支持基盤ファタハに連立を呼びかけましたが、それに失敗、事実上の単独政権を率いることになりました。  一方、アッバース大統領は28日から始まったア . . . 本文を読む

私の視点 イスラエル総選挙とハマース内閣の誕生

2006年03月27日 | Weblog
 イスラエルとパレスチナの政界が大揺れです。そんな混迷する政局の中、市民達は中東情勢がどうなるのかと不安な表情を隠せません。  まずイスラエル政界ですが、28日に予定されている総選挙の行方は、各種世論調査によると、カディマ党が第1党を確保、労働党やメレッツ党との連立で何とか過半数を握りそうな情勢です。しかしながら、安定多数には程遠い状態です。  27日に発表された、ハーレッツ紙とチャネル10T . . . 本文を読む

コメント欄について

2006年03月23日 | Weblog
 私のブログ「グラフィティ」で、コメント欄についてさまざまなやり取りがあり、熟慮した結果、下記のような内容で継続することに決定しました。つきましては、こちらのブログについても、今後は同様の措置を取らせていただき、これまで受付を拒否していたコメントを受け付けることに決めました。コメントを書き込まれる方は、良く読まれて私に登録された後、ご意見を書き込んでいただけますよう、よろしくお願いいたします。 ・ . . . 本文を読む

アッバース大統領に辞任要求

2006年03月18日 | Weblog
 1月の議会選挙の結果が出たものの内外からの様々な動きに影響されて依然として組閣できずにいる状態のパレスチナ政界ですが、今度はアッバース大統領のお膝元である「アル・ファタハ」から辞任要求が出されました。  スワ、内輪もめと思う向きもありますが、そうではなくてアッバース氏の“身内”である幹部から出た発言で、これは、これまで何度も漏れ出てくるアッバース氏の「辞めたい発言」の一環ととらえて良いでしょう . . . 本文を読む

タリバーンの活動 活発化か?

2006年03月16日 | Weblog
 アフガニスタンはタリバーン政権崩壊後、「民主的な政権」が樹立され、国家再建への道を突き進んでいるかのように思われている節がありますが、今も各地で戦闘が続けられ、米軍を中心とした多国籍軍は撤退できずに未だ駐留しています。  ご存知のように、最重要指名手配に挙げられているオサマ・ビン・ラーディン氏は、拘束されることなく今も地下活動を指揮していると言われていますし、タリバーンの指導者のモハマッド・オ . . . 本文を読む

イ軍 パレスチナ刑務所攻撃

2006年03月15日 | Weblog
 イスラエル軍と警察特殊部隊は14日朝、パレスチナ自治区東部にあるエリコ(英語表記:ジェリコ)の刑務所を包囲、収容されている6人の人物の引渡しを要求しました。しかしながら、当然のことですが、パレスチナ刑務所側は囚人の引渡しを拒否しました。  すると、イスラエル側は戦車と攻撃ヘリから砲撃を加え、ブルドーザーで兵と建物を破壊、刑務所の警備隊や看守との間で銃撃戦を交えました。銃撃戦と言っても自動小銃と . . . 本文を読む

崩壊寸前のパレスチナ財政

2006年03月14日 | Weblog
 ハマースが1月の評議会(国会に相当)選挙で勝利を収めた後も国際的な支持を得られないまま、パレスチナの政局は空転したままです。  一時激しく自爆攻撃をするなど、イスラエルの軍事占領に対して徹底抗戦をしてきたハマースが議会選挙で、正当に勝利しましたが、欧米各国はそれを認めようとせず、これまで行なってきた財政援助も凍結した状態が今も続いています。  ただでさえ長期の占領と破壊で経済的な苦境に追い込 . . . 本文を読む

検問所で爆発物発見

2006年03月13日 | Weblog
 パレスチナ自治区北部のナブロスに通じるイスラエル軍検問所で12日、2人のパレスチナ人が15キロの爆発物を所有していたとして拘束されました。  軍の発表やマスコミ報道を見る限りでは、2人がどのような形で爆発物を所持していたかは不明ですが、2人が所持していた爆発物を使ってイスラエル軍を攻撃しようとしていたものではないという点についてははっきりと否定されています。  イスラエルは今日から「プリム祭(ペ . . . 本文を読む