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私の視点 ブッシュ訪問の裏にあるもの

2006-03-06 10:56:07 | Weblog
 ブッシュ大統領は6日未明、4日間に渡るアフガニスタン、インド、パキスタン三カ国訪問を終え、帰国した。
 今回の南アジア歴訪の話題の中心は何と言ってもインドへの「核保有の事実上の承認」だが、最終訪問地のパキスタンで何が約束されたかは明らかにされていない。マスコミ各社の報道を見聞きする範囲では、ブッシュ大統領は、パキスタン政府の「対テロ戦争」と民主化政策に絶大な評価を与えたとするだけで、具体的な援助に関する情報が見当らない。
 出された情報は、首脳会談で、米国がインドに提供することで合意した民生用核技術をパキスタンにも提供するよう求めたムシャラフ大統領に対して、ブッシュ大統領は「両国の歴史もエネルギー事情も異なる」と協力を行なわない方針を示したという程度のものだが、その真偽のほどは疑わしい。特に、軍事援助に関しての情報が何ひとつ出てこないことは疑問に思うべきだろう。
 印パ両国のブッシュ政権に対する貢献度を見れば、ブッシュ大統領にとってどちらの国を優遇すべきかは、今さら言及する必要もなかろう。911以降のムシャラフ政権の対米協力なくしてはアフガニスタンの“解放”はありえなかったからだ。イスラーム世界を敵に回してブッシュ政権に付くことは、半ば自殺行為である。それを敢えて行なったムシャラフ氏の目の前にどれだけすごいニンジンがぶら下げられたか想像に難くはない。
 ところが、多くのマスコミは表面的な発表や動きに惑わされて、ムシャラフ政権が希望するような援助は行なわれなかったと報じている。
 大統領に「箱乗り」同行取材した米紙などを見ていても、同国訪問がブッシュ大統領にとって初めてであったにもかかわらずたった1日(インド訪問は2日)で、しかもクリケット体験を含む数々のお遊び的歓迎式典を考えると実のある会談はほとんど行なう時間がなかったようなことが書かれているが、これまでのパキスタンの貢献を考えれば、「裏取引」を勘ぐられないための演出としか私の目には映らない。
 パキスタンの民主化についても、ブッシュ大統領は賛辞を送ったが、お笑い種だ。
 1999年に軍事クーデターで政権を取り、強権を振るってきたムシャラフ氏は、民主化とはもっとも縁遠い指導者であろう。あまり知られていないことだが、彼は大統領であると同時に、軍事最高責任者である。再三にわたる圧力にもかかわらず、また2年前までにその役割を下りると公約していたのに、居座り続けたままだ。
 ブッシュ大統領の到着数時間前、Tehrik-e-Insaafというグループの指導者イムラン・カーン氏を自宅軟禁して、幹部約20名を拘束したことにもムシャラフ政権の民主化レヴェルの低さが証明されている。このグループは、竹を打ち鳴らして平和的にデモをするだけで、取り分け暴力主義を標榜する組織ではないとされている。その代表のカーン氏は、「国技」のクリケットのかつてのスターだとのこと。その考え方も過激なものではないと聞く。
 考えるに、この取り締まりもマスコミの目を焦点からそらすためのある種の演出であったような気がしてならない。今回ブッシュ・ムシャラフ首脳会談で何が話し合われ、どんな約束がされたか、事実関係が明らかにされるとしても大分先のことになるだろうが、それを知ることは米国の中国包囲網の実態を知ることにつながるだけに、一刻でも早い「情報暴露」がなされることを強く望むものだ。
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「疑惑」に関する雑感 (数学屋のメガネ)
浅井久仁臣さんの「私の視点 ブッシュ訪問の裏にあるもの」というエントリーに、次のような文章があった。 「印パ両国のブッシュ政権に対する貢献度を見れば、ブッシュ大統領にとってどちらの国を優遇すべきかは、今さら言及する必要もなかろう。911以降のムシャラフ政