浅井久仁臣 グラフィティ         TOP>>http://www.asaikuniomi.com

日々の出来事から国際情勢まで一刀両断、鋭く斬っていきます。コメントは承認制です。但し、返事は致しませんのでご了承下さい。

広告

※このエリアは、60日間投稿が無い場合に表示されます。記事を投稿すると、表示されなくなります。

災害時の報道取材ヘリ問題

2005-05-07 15:45:23 | Weblog
 お伝えしているように歩き回る事ができない状態なので、「取材ヘリ問題」の取材は電話によるものがしばらくは中心になるだろう。

 先ずは、総務省消防庁消防課の課長補佐で中越地震の際には体育館に泊り込んで活動した重徳和彦氏に連絡を取った。役人の中で、しかも本省のエリートでそこまで動く人間は少ないので興味を持ったのだが、偶然彼は私の高校の後輩(ただ23年も年下)であった。

 残念ながら現在は広島県に出向していて面会は叶いそうもなく、彼から救急救助課の航空専門官を紹介してもらった。彼は阪神淡路大震災当時、神戸消防にいて広報誌の編集長をしていたとかで、いろいろ教えてもらえそうな人物だ。だが、まだ現職に就いたのが今春だからもう少し落ち着いてから話を伺うことになった。

 取材ヘリの問題に関しては、阪神大震災後、マスコミ各社が消防関係者や被災者の苦情を受けて検討会を重ねていたし、中地さんもその会合をのぞいた事があるという。ただ、よくあることだが、結局はハッキリした結論を出さぬまま立ち消えになってしまったらしい。だから、尼崎の脱線事故でも上空に取材ヘリを飛ばしたのだろう。

 その後は、東京都の危機管理監(注1)である中村正彦氏に話を伺った。私の読者が教えてくれたシンポジウム(注2)で取材ヘリに対しての不安とマスコミへの要望を述べた方である。その中村氏は、いろんな職場を転々と渡り歩く役人とは違い、話していても確かに豊かな知識と鋭い見識をうかがわす人物であった。「電話取材ですか?」と、最初は不満そうであったが、足の骨折の話をするとご理解いただいた。

 読者の書かれていたように、中村氏は首都圏を大型地震が直撃した場合、全国から飛んでくるであろうヘリコプター(特に報道用の民間ヘリ)に対しての上空管制のシステムがない中、どうコントロールできるか、とても心配されていた。

 「自衛隊だけで約700機、他に警察や消防のヘリ。まあこれらはある程度こちらの意向が反映されますが、民間ヘリまでは非常時に管制できないでしょう。そんな状況では二次災害だってありえます。だから、平常時の今、そのシステムを作っておきたい。東京都だけでやっても周辺の神奈川や千葉はそれじゃあいいのかと言うことになりますから、政府や国土交通省に(システム構築を)提言しています。でも、なしのつぶてですね」

 シンポジウムの席上で中村氏が、「報道各社は、消防庁などの撮った映像は全部、テレビ局に出す、と言っても『報道規制をするのか』と言われる。『超低空飛行で被災者の顔を撮るのに命をかけているんだと…』とも言われる」と発言したかと聞くと、一瞬言葉を詰まらせたので、「一種のオフレコ的に話をされたのですか?」と水を向けると、「まあ、そんなようなものですね」と述べられた。

 中村さんの真剣さと憂慮は十分私の心に伝わった。足が治ったら都庁に出向いてしっかり話を聞き、指導を仰ぐつもりだ。

(注1)東京都の危機管理監は2年前に新設された特別ポストで、知事と直にやりとりができる、危機管理のプロパーだ。田中康夫知事は、このポストを県議会で次のように紹介している。
「危機管理監が動く時だということになると、彼が部局長にも全ての指示が出せると。むろんそれは知事と連携をしているわけですけれども。しかも石原氏はその危機管理監には、やり過ぎても良いと。やりすぎてもって言うのは人権を弾圧するということではもちろんないわけですけれども。やり過ぎても良いのだということを言っているというのですね。これは非常に私は感銘を受けました。やはりこれが私が言っている、中々マスメディアは理解しませんが、成果民主主義を出すために、私達がこれは公明正大に形骸化した手続民主主義ではなくて、成果民主主義を出すための手続きを踏むということだと思うのですね」
 
(注2)「阪神・淡路大震災10周年地震工学シンポジウム」と題した集まりは、日本地震工学会、日本地震学会、土木学会、地盤工学会、日本建築学会、日本機械学会、震災予防協会が主催して、内閣府、文部科学省、国土交通省、消防庁、気象庁、東京都、兵庫県などが後援したもの
 





コメント (1)   この記事についてブログを書く
この記事をはてなブックマークに追加
« 松葉杖日記始まる | トップ | 第6次イラク派遣部隊出発 »
最近の画像もっと見る

1 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
規制可能 (はらだ@K社)
2005-05-12 12:21:00
久しぶりにカキコします。



取材する側としても、メディアスクラムが発生するたびに、どうにかならないものかと感じます。メディアの数そのものも多く、横並び体質&業界棲み分けが出来ていないため、まだまだ問題は続くことでしょう。



ヘリに関しては、実は、それほど規制は難しくないと思われます。というのは、ヘリ取材を代表制にした実例がいくつかあるからです。オウムの麻原逮捕時などなど。スチール代表+ムービー代表という形でした。



これを取りまとめたのは、東京写真記者協会という組織です。新聞、テレビの全てのカメラマンが加入しています。ここへ圧力かければ、災害時取材の規制はそれほど難しくはないと思われます。



日本のメディアは、国と同様、外圧に弱いです。内部で働きかけても、「規制を、報道の側が認めるのかっ!!」などとのたまう原理主義者が多数いますので、どうしようもありません。特に、テレビは受け入れようとしないでしょうが、ま、そこんところは、郵政の役人に一言いってもらえれば、あっさりと折れることでしょう。



地上取材のメディアスクラムは、統制出来ないフリーランスの問題も生じますが、空は案外容易だと思われますよ。

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。

コメント利用規約に同意の上コメント投稿を行ってください。

数字4桁を入力し、投稿ボタンを押してください。

あわせて読む

トラックバック

この記事のトラックバック  Ping-URL
ブログ作成者から承認されるまでトラックバックは反映されません。
やっと辞退した (会社にケンカを売った社員たち~リーガル・リテラシー~)
JR西日本の会長が遂に経団連副会長を辞退しました。>>> 事故発生から決定まで、ずいぶんと時間がかかりますね。 マスコミは、個々の社員の行動を面白おかしくたたくのではなく、もっと本質を報道してほしいものです。これは事件であり、興味本位の報道であってはならないの