都市徘徊blog

徒然まちあるき日記

ラ・デファンス地区

1993-03-06 | フランス 

1993 Europe日記
1993.3.6(Sat) Paris

 16:00 ブローニュの森をかすめてラ・デファンス(Wikipedia)に到着。

噴水とグランド・アルシュ

 ルーヴル宮からシャンゼリゼ、エトワール凱旋門広場を経てここに至る、いわゆる「パリの歴史軸(Wikipedia)」が地区の中央を貫いており、地下には地下鉄や幹線道路が通っている。そしてその上部は巨大な人工地盤で、広々とした歩行者空間になっており、噴水なども配されている。

la Grande Arche

 エトワール凱旋門から西の遠方に見える立方体状の建物が、la Grande Arche(Wikipediaグランド・アルシュ)。高さ、幅、奥行きが共に約110m程度で、両サイドはオフィスビル。最上階へは中空部分に設置されたエレベーターで上り、屋上に出ることが出来る。

中空部分に設置された展望台行きのEV

 このエレベーターがなかなかすごいものだった。シースルーエレベーターはよくあるが、これは外囲いがほとんどなく、数本のレールで囲まれたスペースをキャビンが上るもので、するすると上る感触は結構スリルがあった。また、上り下りする時に、カタンカタンとなにかラッチが掛かるような音がし続けるのも、他のエレベーターでは全く聞いたことがないもので印象的だった。

グランド・アルシュ 中空部分下部の膜屋根

 中空部分は屋根下のようになっているが、相当高いところに屋根に相当するものがあるので、雨が吹き込むこともあるのだろう。雨対策だけかどうかは分からないが、下部のチケット売場などには膜屋根が架けられていた。

 中空部分入口の階段から、人工地盤方向を振り返ると、地区全体をパノラマ的に見ることができる。

 左手のシェル構造の建物は、国立産業技術センター(CNIT)。三角形の平面型をした大型の展示スペースのようだ。

 la Grande Archeの屋上展望台にエレベーターで上る。

 屋上じたいはどうということはなかったが、やはり良い眺望だった。パリ市内は文化財建造物周辺の景観を守るため、高い建物の建設が規制されているので、ほとんどが中層以下の建物だが、郊外のデファンスは逆に積極的に超高層化が進められており、いわゆる新都心の様相を見せている。遙か彼方にエッフェル塔だけがそびえているのがまた印象的だ。

 展望台から下りて、再び都心方面へ戻るべく人工地盤上を歩いていく。途中の池には現代アートのオブジェが設置されていた。午前中に訪れたラヴィレット公園もそうだが、パリには、古い文化財建物やルーヴルに展示されているような古典芸術作品があるだけでなく、現代アートの作品もあちこちにあるのがなかなか興味深く、面白い。

 17:30 中心部方面へ向かうバスに乗り、デファンス地区を出る。

ルーヴル美術館・前庭のガラスピラミッド

 18:30 再びルーヴル宮前に到着。夕暮れ時、内側からライトアップされたガラスピラミッドもなかなか美しい。これが出入口を兼ねて、人々の動線を上手く処理するための施設になっており、なおかつ西洋建築の起源的な存在でもあるエジプトのピラミッドの縮小版のような形にもなっているあたり、上手いことやるなぁと感心しきり。

 しかし、なんだかルーヴルのあたりをなんどもうろうろしている感じ。S君と落ち合う。

 19:00~20:00 夕食。小さなレストランでイタリアン料理を食べる。結構おいしかった。

 21:00 帰寮。洗濯をしたかったが、混んでいてできず。次のスイスから先の予定を3人で練る。

 24:00 ようやく予定が決まる。K氏は予定が決まったらすぐに寝てしまった。

 24:30~26:30 洗濯。非常に時間が掛かってしまった。

 27:00 就寝。明日はひどい寝不足になりそうだ。絵はがきが出せなくて残念。

ヨーロッパ旅行記 1993.2.28〜3.21
Google Map 1993.03 Europe

#新しい建物 海外  #オフィス  #パノラマ  #眺望  #広場 
#ホール・体育館  #高層ビル  #モニュメント  #門・ゲート  #現代建築 
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

オルセー美術館

1993-03-06 | フランス 

1993 Europe日記
1993.3.6(Sat) Paris

 13:00 オルセー美術館(Wikipedia)に到着。

 今日のうちにオルセー美術館、そしてできればルーヴル美術館も見てしまおうと考えて、超特急でいいところだけを見て回ることにする。

 オルセー美術館の建物は、もともと長距離列車のターミナル駅舎兼ホテルとして1900年に完成したものだが、1939年に近距離列車専用駅となったのだそうだ。その後、1970年代から保存活用策が検討され、1986年から美術館として利用されているという。ルノワールやモネ、セザンヌなど、日本人が好む印象派の絵が多く、観光客に人気の場所でもある。

 鉄骨とガラスによるアーチ型の天井屋根は、トレイン・シェッドと呼ばれる、欧米の駅でしばしば見られるホームを覆う大屋根。そうだと知っていれば確かに鉄道駅だった建物だと思えるが、最初から美術館として建てられたのではないかと思われるほど、立派で華やかな空間だ。

 紫外線による作品の劣化の問題さえ上手くクリアすれば、これほど素晴らしい美術展示空間は他にはなかなかないのではないかと思われる。

 館内に置かれている日本人向けのガイドパンフレットを片手に、主要な常設展示物を拝見。本当ならここだけで半日以上いてもよいのだが、なにせ滞在日程が少ないので、下手をすると鑑賞というよりオリエンテーリングに近くなってしまう。ここで有名な○○を見たことに意義がある、みたいな感じになってしまっているのには意味があるのか? という疑問も少々湧くが、短期間の海外ツアーでは致し方ない。他にも見てみたいところがたくさんあるのだ・・・。

 展示されている絵画や彫刻の一部は、ときどき日本でも「オルセー美術館展」などと称して展覧会が開かれたりするので、絵をじっくり見たい時は、近場で見る方がむしろ良いかもしれない。オルセー美術館という容れ物、独特な展示空間で見ることに価値があるという気分であって、また、再利用された建物と展示物の取り合わせにむしろ興味があったので、その意味では、建築空間を体験できたことが良かったのだなと思うことにする。

 14:50 オルセー美術館を出てルーヴル美術館へ向かう。

ルーヴル美術館・前庭のガラスピラミッド

 15:20 ルーヴル美術館着。しかし入口のガラスピラミッドのあたりで行列をなす人々を見て、気が変わる。ルーヴルは明日行くことにして、K氏と共に新開発地区のデファンスへ向かうことにする。

ヨーロッパ旅行記 1993.2.28〜3.21
Google Map 1993.03 Europe

#新しい建物 海外  #近代建築  #吹き抜け・アトリウム  #ミュージアム 
#鉄道  #I・M・ペイ  #現代建築  #世界遺産 
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

サン・マルタン運河

1993-03-06 | フランス 

1993 Europe日記
1993.3.6(Sat) Paris

 12:00 サン・マルタン運河(Canal Saint-Martin・Wikipedia)へ行く。

地下鉄ジョレス駅付近からサン・マルタン運河の閘門

 パリの街はセーヌ川の周辺に広がっているが、周辺にはいくつかの丘があるし、低地でも全く高低差がないわけではない。従って運河にもアップダウンがあり、ところどころに閘門があって、閘門を閉じたり開けたりして水位を変え、船を行き来させている。サン・マルタン運河も、約25mの高低差があって9つの閘門が設けられているそうだ。

 訪れたこの時は高水位側の閘門が閉じていた。下からの船が入ってくると、手前後方の閘門を閉じて水位を上げ、上側と同じ水位になったら写真の閘門を開く。開け閉めを繰り返して、船を通したり堰止め湖の水位を保っているわけだ。

ヴィルマン庭園(Jardin Villemin)付近から

 閉じられた閘門の上側の堰止め湖には水がたっぷり。水面は平らなので、場所によっては周囲の道より水面がやや高くなったりもしている。

 このあたりで運河はぐっとカーブしており、川沿いの建物もカーブを描いており、ここも絵になる景色だ。なんだろうな~。絵になる景色を意識した街並みって、うらやましい。

 ヨーロッパに来るまであまり分かっていなかったのだが、実はヨーロッパの内陸にはたくさんの運河があり、昔は物流・交通網としてかなり機能していたようだ。トラックや鉄道輸送に取って代わられたが、現在も多くの運河が残り、近年はバカンスの船旅で利用されたりしているようだ。

Passerelle Bichat(ビシャ人道橋)とレコレ小広場の閘門

 写真左手奥には北ホテル(Hotel du Nord)というホテルがあって、これは同名の映画でも有名なのだそうだ(映画見てないけど。)。

 ところどころには鉄製のアーチ型人道橋が架かっている。船を通すためにこのような太鼓橋になっているわけだが、これがまた、川面を見る時の気持ちよい視点場を与えている。そして閘門の開閉の様子をのんびり眺める人の姿がまた絵になるわけで・・・。

 運河沿いの景色を楽しんだ後、途中のBurger Kingで昼食。K氏は早くも和食が食べたいと言っている。私は日頃から和食ばかりではないので、あまりそういう欲求は強くないのだが・・・。

 さて、午後は中心部に行って、オルセー美術館とルーヴル美術館を半日で見てしまおうか・・・。

ヨーロッパ旅行記 1993.2.28〜3.21
Google Map 1993.03 Europe

#海・川・池  #橋 #近代土木遺産 
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

ラ・ヴィレット公園(Parc de la Villette)

1993-03-06 | フランス 

1993 Europe日記
1993.3.6(Sat) Paris

 08:00 起床。朝、起きられないのは、時差ボケが解消しつつあるためかもしれない。結構疲れてるのに、K氏は頑張るぞなどと言ってしまう。

 09:00 朝食後、冷たい思いをしながらシャワーを浴びる。

 10:00 出発。本日はS君とは別行動。私はK氏と二人で循環線のバスで、まず、ラ・ヴィレット公園(Parc de la Villette・Wikipedia)へ行く。

Parc de la Villette

 新しい建物が広い範囲に散在するきれいな公園。今日は朝方、雨が降ったため、路面が濡れ、街は霞んでいた。

 トラスの長い梁がところどころに立つ柱から吊り下げられ、さらにそこから波型のアーケード屋根が吊り下げられている。そしてその歩廊の先には、フォリーと呼ばれる添景用の赤い建物が点々と建っている。

 設計はバーナード・チュミ(Bernard Tschumi)。学生の頃、ここの公園はそれなりに話題になっていた場所。普通の公園とはかなり違う、現代アートでもって統御された公園で、行ってみるまでは、どんなものかちょっと興味もあった。

 フォリーは庭園などに建てられる装飾用の建物だそうだが、日本の東屋的なものと言ってもよい。ただ、東屋にあるような休憩用のベンチとかがここの場合はなく、純粋に公園の中に点在して、その佇まいを見たり、そこからの景色を見たりするためのもの。公園を単なる癒やしの場所とか、慰楽・行楽の場所、という扱いとせず、現代アートに触れて思索をする場所とするような狙いがあるようだ。

 ただ、日本人の感覚からするとむやみに広々としていて、やや単調だ。一つ一つ形の違う真っ赤なフォリーがグリッド状に並んでいるのが印象的だが、それで?、という感じ。全体計画を図で見るとちょっと興味深いが、現実の場所に行ってみると、それを鳥瞰的に見るわけではないので、点々と並ぶフォリーをあちこち歩いてみようという気にはあまりならない。二つ、三つ行ってみて、ふーん、こういうところなんだぁ、で終わり。

 行楽とかだったら、東京都心でも新宿御苑とか浜離宮庭園の方が変化に富んでいて楽しいし、花や木も楽しめる。ここの場合、現代アートを「見て体験して考える」べきなのかもしれないが、それって公園にみんなが求めてることなのかなぁ。ちょっと説教臭さを感じてしまったせいか、すぐにそれで? という感覚になってしまった。

 同じ公園内でもこのウルク運河沿いの景色は都市景観として魅力的。ここに佇むと赤いフォリーが点々と並ぶさまはちょっと絵になる。でもそれは色の面の話で、建物の形はさほど魅力的でも絵になるわけでもない感じ。雨上がりの霞んだ街の風景で、あまり派手な色彩の建物がないパリの景色の中で、ワンポイントのアクセントを与えている。

シテ科学産業博物館と、ラ・ジェオード(右手の球体)

 公園内には科学産業博物館と、鏡面仕上げの球体のオムニマックスシアターもあった。施設的にはこっちの方がやはり存在感があって分かりやすいし、単純明快な目的を持っているので、見ていて面倒くさくない。

シテ科学産業博物館エントランス

 パリまで来て科学博物館をじっくり見るのもなんなので、とりあえずエントランスの吹き抜け空間あたりだけを体験。近くに他にも運河があって、そちらの景色が気になってきたので、運河沿いを辿ってみることにする。

ヨーロッパ旅行記 1993.2.28〜3.21
Google Map 1993.03 Europe

#パノラマ  #公園  #海・川・池  #新しい建物 海外 
#ポストモダン  #ミュージアム 
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする