駅前糸脈

町医者をしながら世の中最前線の動きを感知、駅前から所見を発信。

長距離ランナーの言葉

2017年10月05日 | 人生

        

 将棋の木村名人といっても、大山十五世名人さえ歴史の人になってしまったから、もうご存知ない方が多いだろう。明治生まれのちゃきちゃきの江戸っ子、実力の名人で現代将棋の基礎を作った人だ。将棋が強いだけでなく、広い視野と常識もあった人で将棋ファンを越えて国民に愛された。その木村名人の将棋を注意の将棋と評した人達が居た。あんまり誉め言葉には聞こえないのは負かされた悔し紛れの気持ちが混じっていたからだろう。

 へぼ将棋の私がこの言葉の妥当性を正確には評価できないが、一内科臨床医として注意の大切さは実感でき、後輩へ贈る言葉にできると確信している。話題作りに躍起のマスコミは名医が大好きで、確かに優れた医師は存在するがマスコミで名医と言われるようでは名医ではないというような存在で、万能万人の名医は存在しない。名医はともかく、多くの研修医が不断の研鑽と経験の蓄積によって優れた臨床医になることができるが、柔軟性判断力など欠かせない要素がいくつかある。その中に注意深さが入っている。日常臨床ではホームランよりも内野安打が重要で、何より三振とエラーを最小限に留める必要がある。それには注意深さが必須なのだ。

 おそらくこれは殆どの技能職で真実だろうと思う。若い人には面白くもなく分かりにくいことだろうが、その場凌ぎではなく長丁場の仕事には欠かせない要諦と申し上げたい。

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