駅前糸脈

町医者をしながら世の中最前線の動きを感知、駅前から所見を発信。

小学校の教師気分

2017年02月24日 | 診療

          

 腎臓の機能の指標にeGFRというものが使われるようになって暫く経つ。このeというのはええ加減のeだと思っているのだが、採血検査を見て計算されたeGFRの値を見ると100点満点の試験結果のようで笑ってしまう(最悪10から良好100くらいまでの数字で表わされるため)。長らく血清クレアチニンの値を腎機能の指標にしてきた。これは05から10.0くらいまでの数字で表され、こちらは低い方が良いのだが、悪くなり始めの変化が鈍く初期の変化が分かりにくい。そのためにeGFRが考案され採用されたのだ。まだ正確さでは不十分だが初期変化を捉えるのには優れており、半年前72点だったのが今回は59点と落ちている、ははあこれはゲームのやりすぎか悪い友達が出来たか、何かあるなと気付き、初期対応がしやすい。

 人体はゆっくりした変化には適応してしまうので、このeGFRは余程点数が悪くならないと本人の見た目には変化がないことが多い。尤も、この見た目に惑わされない為に導入されたわけで、優等生然としたFさんが47点だったりしてあれあれ要注意だと気付く効用があるわけだ。逆に指示を守らない不良患者が80点などと良い点数だったりして、苦笑いをしてしまうこともある。ちなみに私は74点で、まあまあ面目を施している。赤鉛筆を握っているわけではないがeGFRを見ながら、小学校の教師気分になっている。

 二十年ほど前に登場し、今や医師の人口に膾炙したCKDという概念はeGFRによって広がり浸透したので、eGFRの功罪は功を多とすると言えよう。

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