駅前糸脈

町医者をしながら世の中最前線の動きを感知、駅前から所見を発信。

専門職の実力を測る

2017年08月14日 | 世の中

                     

 なんだか、甲子園に相応しい夏らしい夏日が少ない。一寸涼しいのはよいが、今日もどんよりと曇っている。今週一杯こうした天気が続きそうで嬉しくない。多少暑くても夏空が恋しい。

 私のような第一線で働く内科系の臨床医は自分の手に負えない病気や病態の患者さんを専門医へ紹介している。それは慢性疾患や日常急性疾患の診療と同じように重要な仕事だ。今は誰でも車のある時代だから半径十キロ程度が紹介範囲だが、症例によってはもっと遠方へも紹介する。当地の医師会員になって三十五年になるし、勉強会講演会病院へしょっちゅう顔を出しているから、何処の病院が何処の誰がこの病気を診るのに適しているかを熟知している。

 言うまでもないことだが、医師の実力には微妙な差があるし病院にも特徴がある。それを知っていることは私の医師として仕事の一部だ。これは医師としてよりも院長の経営者としての実力なのだろうが、病院の場合は設備力もものを言う。

 医師の能力は一元的なものではなく知識技能判断力理解力人間性など総合的なもので、この患者さんにはこの医師が良さそうだと判断させて頂いている。こうした知識は私の財産であり医師としての能力の一部だと思っている。患者さんは私のそうした能力を含めて私を評価していると思う。

 弁膜症ならS病院のT先生やMu先生、胆石胆嚢炎ならN病院のMo先生、S病院のK先生など・・、患者さんに適切な専門医を紹介している。例外だが、単に威張っているから嫌と言うのでX先生から秘かにMu先生に回したこともある。

 複雑難解な世の中、一般人には分かりにくい専門職の実力を適切に評価するために色々な分野に評論家というものが存在するようになった。尤も中には怪しげな胡麻擂り紐付き評論家も居るようだから要注意だが。これは私の持論だが、政治家は専門職のようでも、誰しもが目をこらせば直に評価できる存在と考えている。少なくとも何をしてきたか、なんと言ってきたかを思い起こせば、ある程度の評価はできると思う。

コメント    この記事についてブログを書く
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 間違いはあるものだが | トップ | 小さい夏休みに大きな買い物 »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。

世の中」カテゴリの最新記事