駅前糸脈

町医者をしながら世の中最前線の動きを感知、駅前から所見を発信。

借患は返さなければならない

2017年05月16日 | 医療

  

 長い連休明けには、休んだ反動で患者数が増加する。内科系の開業医では慢性疾患が八割を占めるから、処方日数を増やして連休を飛び越えさせても、結局は連休明けに患者が集中してほぼ一週間は二三割増しの日が続く。休んだ日に負い込んだ見るべき患者さんを、休日明けに診るわけだ。負債に例えて申し訳ないが、なんだか借金を返しているような感じがする。唯、借金と違うのは利息を付けて返すわけではなく、むしろ来るべき患者数よりも一二割少ない数になる、というのは連休中に他院を受診したり、改善してしまう患者さんが居られるからだ。

 しかしまあ、いづれにしても我々は借患はきちんと返してゆく。大病院が潰れても患者さんは負債ではないから、棒引きすることができない。勿論、スケールメリットだかなんだか知らないが、巨大でつぶれると影響が大きい病院には自治体や政府がテコ入れをして、再建や軟着陸が図られ、混乱は避けられるあるいは最小限にされる。実際に十数年前、近隣で医師の欠員が補充できない自治体病院に院長以下幹部と引き換えに医師を派遣しましょうという大学が現れて荒療治がされたことがある。

 患者さんとお金を比べること自体無理があるかもしれないが、大企業の巨大負債を見ていると何だか手品のようなやり繰りがされてゆく。さすが今度の東芝の巨大負債にはなかなか良い方法がないようだが、お金というのものの不思議さを感じる。患者さんは検査データは情報化できても、個人をやり繰りするのはできないので、お金の対極の存在なのかもしれない。

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