駅前糸脈

町医者をしながら世の中最前線の動きを感知、駅前から所見を発信。

節穴から見通す

2017年05月15日 | 政治経済

             

 何故、改憲提案で憲法九条に自衛隊を書き加えることと高等教育の無償化とをセットにするのか理解できない。高等教育の無償化は憲法を改正しなくても法律を作れば可能で、わざわざ持ち出すのには他の狙いがあるからだと思われる。この頃は衣が開け、鎧丸出しの名優というよりは怪優になってきた首相を支えるのは菅官房長官だ。名門出身でも大秀才というわけでもなく地道に努力してきた苦労人なので、彼には庶民感覚が身に付いている。だから庶民の感じ方、庶民の反応を読むことに長けている。それを首相を諫めるのには使わず、首相の勇み足を和らげ当たりを弱く脚色するのに生かしている。なぜかと言えば主君を支えることが何よりも優先されているからだ。自分を殺し主君を支えかばうことに身命を賭しているかのように見える。突出を削り、塩味に砂糖を塗し、反対者を陰に懲らしめ、コバンザメを有効に使い、権力維持を図る才能には恐るべきものがある。支持はしないけれどもその策略能力の凄さには恐れ入る。

 実は諫めないとは書いたけれども、得策ではないという助言をしているのか伝えているのか、首相の主張には庶民が飲み込みやすいようにという譲歩変容がある。反対する野党、特に民進党の弱みを巧みに突いているのだ。

 権力という魔物を手中にし操るには、こうした端倪すべからざる黒子のような存在が欠かせないのだろうか?。民進党には幼稚なお山の大将が多く、こうした人材は乏しいというか皆無のように見える。時には失礼だが、馬鹿かと言いたくなる動きをする。

 尤も、こうした内閣核議の策略は気付けば透けて見えるので、憲法改正も審議を尽くした上でなら結構と思いつつ、安倍政権でなければという条件を付け加えることになる。

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