あるBOX(改)

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追悼:キース・エマーソン(2)

2016年03月14日 | 洋楽
70年代ミュージシャン冬の時代は続いたが、思わぬところで彼らの勇姿を
拝める機会があった。

アトランティック・レコード40周年コンサート。
1988年5月14日に、ニューヨークのマディソン・スクエア・ガーデンで、
アトランティック・レコードの創立40周年記念行事として、半日以上
行なわれたイベントだ。

出演したのは、米国のアトランティック・レコードからレコードを出して
いたアーティストのみ。
同社40年の歴史を表すかのように初期の黒人ミュージシャンから新鋭まで
多様な世代が出演。

中には、公式に解散していたり、活動停止中のグループもあったが、
このコンサートで演奏するために再集結したバンドもいた。



イベントのトリはジョン・ボーナムの息子ジェイソンをドラムに据えたレッド・
ツェッペリンだったが、正直「カシミール」以外に冴えを感じられず。

「ロンリーハート」で復活を果たしたイエスなどの「全盛期にも不摂生し
過ぎなかったバンド」が衰えを見せずに好演を果たし、印象的だった。
※イエスは「I've Seen All Good People」「Perpetual Change」
 「Roundabout」などの70年代曲を演奏。

キース・エマーソンとカール・パーマーはベースのロバート・ベリーを加えて
「アメリカ~ロンド」を演奏。

エマーソンの代表曲でELP時代もコンサートで演奏されているのに
LIVE盤に収録されてない同曲。
演奏を聴くだけでも感激なのに、TVで「動くエマーソン」が見られる事に
大興奮した私は、もう「凄い!凄い!」と飛び跳ねっ放しになったものだ。

曲のテンションも素晴らしいし、なんといってもエマーソンのステージ・
アクションが衰えを感じさせない。
ろくに全盛の映像を見てない私に、そう確信させるほど彼の演奏は鮮烈で。

同じくソロをアトランティックから出しながら余りヒットしていなかったポール・
ロジャースが、スティーヴ・クロッパーとダック・ダンの演奏(ザ・MG's)で
オーチス・レディングの「ドック・オブ・ベイ」を歌った感激と合わせて
「やはり放蕩に走らず、真に実力ある人達は錆びていない」と、感涙に
むせたものでした。

※キースに言わせると機材のセッティングが上手くいかず大変な目に遭った
 そうだが、それでも「ポール・ロジャースと並ぶベスト・パフォーマンス」と
 言われて嬉しかったんだとか。

それから時を経て、ELP再結成。
映画への音楽提供や「3(スリー)」、「エマーソン、レイク&パウエル」も
話題になったが、ファンの望む売れ方では無かったから、そうなるのも
やむなし・・・の雰囲気だった。

※EL&パウエルのライヴも発掘されたが、パウエルの「サーキットを疾走
 するが如きドラミング」に乗って展開されるELPソングも興味深かった。

新譜は・・正直「往年の名盤」に及ぶべくもなく、やはり売れ行きは芳しく
なかったようだ。



それでも来日公演が発表されればソールドアウト。
ファンは生で演奏に接する機会を求めていたのだ。
追加公演が発表され、私もチケットを購入した。

全盛から20年経っていたが、それでも88年のイベントで素晴らしい演奏を
見せたエマーソンとパーマーに僅かながら期待が持てたからだ。


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