Art & Life in Toronto

カナダ・トロントに住んで出会ったアートを紹介します

2016年プライド月間

2016年07月19日 12時16分51秒 | その他のおでかけ
昨年までは6月末の1週間ほどだったプライドが、今年初めて6月いっぱいをプライド月間として、7月3日のプライド・パレードまでの1ヶ月余り、パーティやパネル、講演、映画上映、ライブなどの関連イベントが続いた。マーガレット・アトウッド氏やジョージ・タケイ氏など著名人が登場するイベントもあったが、6月半ばに日本に一時帰国していた私は、プライド月間の最初と最後に参加した。

プライド月間のオープニングはAGOでのパーティ「Queer Insurgents」。ブルース・ラブルースの企画で、美術館内の4つの広場でパフォーマンスやライブ演奏、トークショーが行われる。バーができ、もちろんアルコールも販売されて、DJがたって1階のウォーカー・コートはすっかりクラブと化している。警備員はたくさんいるけれど、常設展示の展示室も開放。19時から23時30分まで。すごいな、AGO。



これはNarcissisterというニューヨークのアーティストによる「Upside Down」というパフォーマンス。映像上映の後、実物が出てきて踊る。腕のように見えているところは実は足。股の間にアタマをつけて逆立ちして踊っているところ。最後はやっぱり、ほぼハダカ。



クロージングのほうでは、7月2日に行われた「Drag on!」というイベント。トロントのダウンタウン中心部にあるダンダス広場での、午後2時から11時まで9時間のマラソン・ショー。パンフレットによれば40人以上のドラアグ・クイーンが出演したようだ。その最後の1時間ほどを見学。話芸が達者な人もいれば見とれるほどに美しい人もいて、ドラアグ・クイーンもいろいろ。ダンダス広場の周囲には柵が設けられ、中に入るには身分証明書チェックをしていたけれど、拡大映像を投影していることもあって、柵の外側からでも見られる。こんなことが公共の場で行われて、誰でも無料で見放題だなんて、すごいな。

クライマックスは7月3日のプライド・パレード。私は、トロントにおけるゲイのメッカ(?)、チャーチ・ストリート近くに住んでいるので、このパレードを見るのは今回で3回目。毎年ちょっとずつ雰囲気が違う気がするのは、何時間も続くパレードの、それぞれ一部分を見ているからかもしれない。今年は最初から見たので、公的機関や企業のグループが目立っているように感じた。ピンクのシャツのトルドー首相が歩いて参加していたのにはちょっとびっくり。


Toronto District School Board


Toronto Transit Commission


??


Air Canada


Toronto Police

途中、30分ほどパレードが前に進まなくなったことについて、そのときは何が起きたか知る由もなく、渋滞くらいにしか思わなかった。後でわかったのは、パレードに参加していたBlack Lives Matterという黒人の権利擁護団体がプライド代表者に、プライド内での黒人の地位向上やプライドからの警察の参加の排除などを要求して、路上で座り込みをしていたのだった。




Black Lives Matter

それ以降、マスメディアを含む各種メディアでこの問題が議論されている。そのようなことができるのがまさにプライドだという意見もある一方で、プライドはセクシャリティを問題にする場であって人種差別は別の場で議論すべきだという意見、プライドはあらゆる人種やアイデンティティを持つ人々が参加できるのであり、警察だって排除すべきでないという意見など、賛否両論様々な意見があるようだ。性的少数者の中にも白人、黒人、アジア系と様々な民族的背景を持つ人々がいて、立場の違いがあるのは確かなことなのだろう。実力行使に至る前に融和に向けての努力ができればいいのにな、と思うのは、きれいごとだと分かっているが、トロントだったらできるかも、と思うからかもしれない。

Pride Toronto


最新の画像もっと見る

コメントを投稿