終わりかけの薔薇二輪

2017-11-04 | 日記

         

今朝は雨降りになった。雨の土曜日である。ドンヨリ模様の空の色と灰色の雲の厚さが世界を満たしている。今朝、小雨の中、花をもらいに隣の家に行った。「終わりかけの薔薇よ」と奥さんは言いながら伐ってくれた。「私みたいね」と言う。僕は何と言っていいのか困ってしまったが、「まあ、それもそうですね」と、わざと否定をしなかったのだった。「薔薇の棘はやっかいよ」と、そこそこに棘も鋏で伐ってくれたのは自称「終わりかけの女」の優しさだろうか。李朝箪笥の上に大正李朝白磁扁壷に差して飾って見る。花びらの紅の色が少し夕闇がかっているのである。これも初冬の色である。人にも薔薇にも時間は経過して行く。定家卿の歌一首。

            しづむ身はかへらぬ老の波なれば水行(ゆく)かはのすゑぞかなしき

 


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