ブロンズ『春風』

2017-08-30 | 日記

       

母が入院している八階建ての総合病院のコート(中庭)にこの像はある。水田地帯の真っただ中に建っているこの病院は平面的に見ると、東西のウイングを持っていてコートはちょうど翼の中心である。像の真後ろに3台のエレベーターが並んでいて、僕は八階の病棟まで上がる。上がっていく途中、この像をずっと見下ろして行くことになる。しかしなぜ「春風」なのだろうか。または、女性が乗っているこれは何だろう?

こういう彫刻類にはあまり興味がなかったが、しかし、毎日母のところに通う中に、そしてこの像を囲む廊下のガラス・ウィンドウ越しに立止まって見るにつけて、所謂、情がうつって行くのである。つまり恋するのである。僕は『春風』にゾッコンになるのだった。特に先日の大雨の中、“ 彼女 ” が雨に打たれている光景は、実に「マグダラのマリア」である。この病院を往き来する人たちはこのブロンズ像に何を見るのだろう。作者は元井達夫(1936年長岡市生まれ)という彫刻家である。

 


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