H.M.のデッサン

2017-06-17 | 日記

         

1949年の『美術手帖』(№13 昭和24年1月1日発行) は当時60円。特集は「PARIS」。掲載の絵は特集からアンリ・マチス (1869-1954) のデッサン。他にマチス、ピカソ (1881-1973) 、ブラック (1882-1963) のタブローがカラーで掲載されている。またル・コルビュジエ (1887-1965) の「未来のパリ」という新しいパリ建設を構想する計画図も掲載されている。記事はパリ在住の日本人画家たちの現地報告が大半で、労働者やカフェ、画廊などもリアルタイムで紹介されているのも大変興味深いものだ。岡鹿之助 (1898-1978) の現地レポートが掲載されているので、ここに一部引用しておく。

秋には珍しい暖かい陽ざしが風のない窓外の中庭一杯にあふれている。朝の仕事を終えたらふらふらと画商街のラ・ポエシイ通りへ足が向いた。ローザンベエル画廊ではブラック近作の個展が始まったばかり。数点の静物画を一つずつ眺めてゆく中に、その秀でた叡智と高雅な感覚に次第に打たれる。会場でアンドレ・サルモンに逢う。(中略) 近くのベルネム画廊にゆく。ボナァルの近作八十号にぶつかってドキンとした。一作毎に朱と黄金色とが輝きを増して、交響する色の喜びが麗朗に画面にはずんでいる。そのはずみが見る人の心に幸福感のはずみをつけて拡がってゆく。眺めている人々の顔は明るく、微笑さえ浮ぶ。ボナァルの絵画は人間の憂苦を暫くでも忘れさせるかの様だ。(以下略)

そして、このマチスのデッサンもなんと品性があるのだろう。こういう絵に向き合うと僕は幸福になる。

 

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