アートの周辺  around the art

美術館、展覧会、作品、アーティスト… 私のアンテナに
引っかかるアートにまつわるもろもろを記してまいります。

大妖怪展@あべのハルカス美術館

2016-10-18 | 展覧会

幽霊は夏っぽいけど、妖怪はそうでもない? 9月のまだ暑い頃に始まったこの展覧会を、朝晩すっかり肌寒くなった先日、鑑賞してきました。日曜日の午後は、「妖怪ウォッチ」に惹かれてか、子供さん連れがいっぱい!小さなお子さんたちが、室町時代の絵巻物を楽しそうに見ているのも、それはそれは良い光景でありました。

京都国立博物館のリニューアル後、平成知新館に行くたびに、ワクワク楽しいのが「絵巻物」のコーナー。横に長~く続いていく巻物には、教訓めいてながらも荒唐無稽なストーリーが繰り広げられ、登場人物の表情は豊かでユニークだし、生き生きと今にも動き出しそうな姿やポーズの面白いこと!ところどころセリフも書かれてたりして、まさにマンガの源流だな~と思ったりします。

そういうわけで、今回の展覧会を楽しみにしていたのは、題材が「妖怪」だからではなく、「百鬼夜行絵巻」を始めとする楽しげな絵巻物をたくさん見れるからなのでした。

しかしながら、人の想像力とは、昔々から本当に逞しいものだと感心します。想像上の生き物である「妖怪」は、さまざまな矛盾を孕む社会において、緩衝となったり、受け入れたり、葬り去ったりする、闇のような存在だったことでしょう。それを、さも本当らしくビジュアル化してしまうとは、しかもストーリーまで編み出して、ある意味親しみやすさを感じさせる…。そうして人々のあいだになじませていったのも社会の智恵だったのかもしれません。

今回見ることのできた重要文化財「百鬼夜行絵巻」は室町時代・土佐光信筆とされる真珠庵本。このたくさんの鬼や妖怪の行列を描いた作品は、室町時代から近代に至るまで数多く制作されているが、その中でも代表的な作品とされています。一部分しか見れなのは残念ですが、そんな古い時代のものと思えない色の鮮やかさ、そして妖怪たちの愛らしいこと!他にも「付喪神絵巻」に描かれたモノが化けた妖怪たちも、かわいらしくて目を奪われました!

浮世絵もかなり充実していました。歌川国芳、国貞、月岡芳年などの大きくて色鮮やかな錦絵、描かれている妖怪はリアリティがあり、場面は迫力に充ちています。

室町から江戸にかけて、日本美術の表舞台では、狩野派などが荘厳な絵画世界を展開していた一方で、庶民が親しんでいた絵巻物や浮世絵が描き出す人間のリアルな本性みたいたもの。実際、どちらが優れていたとは、言い難いですね。

今回の展示方法がおもしろかったのは、江戸~室町~平安と時代がだんだん遡ってまして、最後に縄文時代の土偶がドドーンとあらわれたこと。土偶を見たのは初めてで、しかも「遮光器土偶」だったので、おーーーーっと衝撃受けました。思ったより小ぶりでしたが、不思議な形状です。とてもフツーの人を模しているとは思えません。遮光器=ゴーグルですよ、宇宙人ですよ!!いや~見れば見るほど不思議でした。

最後は、なぜか「妖怪ウオッチ」…。ところで、こんなに妖怪を扱っているのに、水木しげる先生が登場しないのは何故なんだ?と少し納得できない私でしたが、展覧会はとっても楽しめました。

11月6日(日)まで。展示替えが頻繁にありますので、これから新たに登場する作品もありますよ。

『芸術』 ジャンルのランキング
Comment   この記事についてブログを書く
この記事をはてなブックマークに追加
« 近頃、話題の・・・『花森 安... | TOP | 『百鬼夜行絵巻の謎』小松和... »
最近の画像もっと見る

post a comment

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。

コメント利用規約に同意の上コメント投稿を行ってください。

数字4桁を入力し、投稿ボタンを押してください。

Related Topics

Trackback

Trackback  Ping-URL
ブログ作成者から承認されるまでトラックバックは反映されません。
  • 送信元の記事内容が半角英数のみのトラックバックは受け取らないよう設定されております。
  • ※ブログ管理者のみ、編集画面で設定の変更が可能です。