アートの周辺 around the art

美術館、展覧会、作品、アーティスト… 私のアンテナに
引っかかるアートにまつわるもろもろを記してまいります。

山口晃展@美術館「えき」KYOTO

2012-11-25 | 展覧会
もうそろそろ紅葉の季節も終わりだと思いますが、日曜日の京都はえらい人出でした。
ついに行ってきました「山口晃展」。こんなに山口画伯の絵をたくさん見たのは初めてです。何せ絵が細かいので、見終わった後は目がちょっとお疲れ…。やや年下の画伯ではありますが、将来の老眼化をご心配申しあげます…。

さて、今回の展覧会は平等院養林庵書院に画伯が襖絵を奉納し、その一般公開に合わせて開催されているというもの。平等院の作品は未見なのですが、お寺に襖絵を奉納しちゃうなんて、まさに現代の絵師。未来の人たちが画伯の絵をどのように見るのか、とても興味深いですよね~。

画伯の題材はいかにも日本画ですが、大きな作品はキャンバスに油彩。とにかく彼の作品は、細かく描き込まれた細部に自分の目を委ねることで、その不思議な世界にすっぽり入りこむような感覚がたまらない。
登場人物の一人ひとりを見ると、ちょんまげを結ったり烏帽子を被ったりという年代物の人から、いかにも現代風のおっちゃんとか作業服の人とかが入り混じっていて、でも全然違和感なく共存していて、まさに時空を自在に操っているという感じ。ほんっと、オモシロイです。
わがホームミュージアムの滋賀県立近代美術館の所蔵品である「厩圖」も出品されていました。なんだか違う環境で見ると、違った作品に見えるんですよね~。一番気に入ったのは「邸内見立 洛中洛外圖」。地名や場所名とかけたダジャレの絵が笑えました。「本能寺」のそばに絵本を読んでる子ども。そこには「本の牛」の文字…。チャンチャン!もっとじっくり見たいのだけど、何せ細かくて…。描くのも大変でしょうよね~。

そして今回、新聞小説の挿絵の原画がたくさん展示されていました。それらをじっくり見るとホント舌を巻きます。めちゃめちゃ絵がうまいな~。五木寛之さんの小説「親鸞」、どんな内容につけられた挿絵なのかはわからないのだけど、絵のタイプもいろいろで、めっちゃマジなのとか、ササッと描かれたものとか、ユーモアたっぷりのものとか、さぞかし読者は楽しかっただろうな~と思いました。

昨年、銀座のメゾンエルメスで見た「東京圖」とも再会!もう完成したんだ~と思ったら、やっぱりまだ描かれていない部分もいっぱいありました。まだ未完なのかな…?
それにしても、どうしたらあんなに細かく描けるんだろう!!そして本当に稀有な世界を描き出す作家だと改めて思いました。
もう来週で終わりですね。未見の方はお早めに。12月2日まで。

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