歌わない時間

言葉と音楽について、思うところをだらだらと。お暇な方はおつきあいを。

劇団四季

2013年11月04日 | 演ずる人びと
きのう深夜に劇団四季の『この生命誰のもの』をやっていて、見始めたのは途中からでしたが、最後まで見ちゃいました。判事の山口嘉三さんは昴の人で、むかし『ハムレット』の題名役もやった人。ほかに俳優座の人も出ていたし、昔俳優座にいて四季に移籍しちゃった人も出ていた。よその劇団から四季に移籍しちゃう人って多いらしいね。四季だと舞台だけで食べていける、とかいう話だった。

間宮芳生さんというと現代音楽のお偉い作曲家なんですが、わたしはこの人の曲は歌ったこともたぶんなくて、わたしにとってこの人の名前は、あの『悪女について』のテーマ曲の作曲家、として記憶されております。

クリムトの「接吻」をバックに、間宮芳生の妖艶な香り漂うテーマ曲が流れましてね。そのころ高校の音楽室の前の廊下にオルガンが置いてあって、ある日の放課後、わたしがいい気になってその『悪女について』のテーマ曲を弾いていたら、ひとりの若い女の先生が、にやりと笑いながら後ろを通っていった。まじまじと顔を見たわけではないけど、気配でにやりとしたのが分かった。「ははあん、この先生も『悪女について』見てるのね」とその時思ったのをいまだに憶えています。

影万里江主演のテレビドラマ『悪女について』についてはもういろんな人がネット上で熱く語っているんだろう。面白かったもん。謎の転落死をとげた富小路公子という女とかかわりのあった老若男女が、毎週一人づつ語り手になって、彼女とのかかわりを証言していく、ってものでした。

森繁久弥、杉村春子、などなど語り手は多士済々だったんですが、その中に高橋とよがいた。たしか婦長さんの役だった。影万里江を見たのも『悪女について』がはじめてだったけど、高橋とよを見たのもこのドラマがはじめてだった。高橋とよさんとはその後小津映画で顔なじみになるんですが、『悪女について』ではじめて見たときには、なんでこんなおばあさんがこんなところに、というのが正直な感想でした。

影万里江という人は当時劇団四季のスターだったそうですが、情報量の少ないそのころの地方のことですから、謎の女優さんでね。とにかく、テレビでは見かけた憶えのない不思議な感じの女優がいきなり「悪女」役で主演だったので、興味津々で見ていました。

最新の画像もっと見る

コメントを投稿