ぼくらのありのまま記

ぼくらは
こんな大人になりました。

小さな声を届ける 

2017-08-08 22:24:16 | 東京日記
糸井さんの記事が掲載されていたBAMPというウェブマガジンを読んだ。

記事は糸井さんのしかまだ読んでないけれど、
サブタイトルがめっちゃいいなと思った。


「小さな声を届ける」




僕がこれから、料理を通じて、伝えたいというか、伝えられるようになりたいことが、
「その人にしか聞こえない声を届ける。」ということだから、それはそれで、小さな声だなと。


海のものは、海の声を聴きながら。
そして、素材の声を聴きながら、
生きている人たちがいることを知った。








これは、比喩ではなくて、本当に聴いているのだ。

ひとりで、ぶつぶつとしゃべりながら、海の声や、牡蠣の声を聴いていた。
そして、よく見ていた。「あ、もうすぐ卵もってくるな。」とかね。


犬を飼っているとわかるけれど、長年一緒にいると、
鳴き声で何を伝えたいのかが、だいたいわかる。
さみしいのか、怯えているのか、
怒っているのか、甘えているのか、お腹が空いているのか。

子犬から、成犬になり、老犬になり。
だんだんと、散歩にいかなくなったり、毛色が薄くなったり、
ちょっとしたことでは吠えなくなったりしていく。

僕は犬のことは16年一緒にいた犬がいるから、よくわかる。


海や土と長い時間いると、同じように、長い時間一緒にないとわからない、
自然の声が、聞き分けられるようになっていくのだ。


僕には、海の声も、山の声もよくわからない。



ただ、「美しいなぁ!!」「この場所、好きだな、ほんとに。」「帰りたくないなぁ」とか、思うだけ。

あ、あれだ。鮨屋のお客さんが鮨を食べて、
「つくりかたとか、よくわからないけど、美味しい!!また食べたいな!!」
と思う感覚と同じだ。


だけど、自然の声が聞こえている人の声は、僕にも聞くことができる。

そして、8月は「山の声が聞こえる人」のところへ訪ねた。

アスパラ、パッションフルーツ、トマト。








1度、2度、会ったくらいじゃあ無理よ。でも時間を重ねるうちにさー。
「自然の声を聴いている人たちの声を聴いて、食材とともに、伝えられたら」ということが、
だんだんとできるようになっていくはずなんだよねー。


あとはねー。

こうやって、「自然の声が聞こえる人」って書くとかっこいいけれど。
普段はふつうの人なんだよねー。そういうとこが、僕は一番好きで。

「毎日毎日出荷忙しいのに、子どもをさー習い事させてて、奥さんが送り迎えしてて、
ほんとは、その時間もったいないと思ってんだよねー。」とか。


「あぁ温泉はいりてぇなぁ」

「ごめん、忙しくて、荷物送るの忘れちゃった!!」

「あいつ、なかなか結婚してくれないな、、、。」とかね。

僕らと同じことで、愚痴ったり、笑ったり、泣いたりしているわけで。
そこらへんもねー。ちゃんと、伝えられたらいいなと。

自分がでている雑誌みて、
「実際、全部がこんなかっこいいわけじゃないからね、、、。」とか言っちゃったりね。




言葉、写真、文章、食材を通じて、
ありのまま、全部、伝えていけるようになれると、いいなぁ。







みんな、元気かなぁ?
台風大丈夫だったかなぁ?
明日は漁にでるのかね?

東京は、無風で暑かったよ。