おにぎり2個の里みち歩き 農山漁村の今昔物語 Guide to Rural Life & Agriculture

おにぎりを2個持って農村・山村・漁村を歩き、撮り、聞き、調べて紹介。身辺事象もとりあげます。写真・文章等の無断転載禁止

野州麻の加工第1段階 表皮発酵

2016-09-16 03:30:28 | 農業

写真1 アゲソ(乾燥保存のアサ・麻;写真5・写真6)を、オブネの水に浸す。写真の浸しは表皮を剥く直前の8回目


写真2 U字溝を利用したオブネ。長さ300㎝、幅(内法40~41㎝)。昔は木製。水は嵯峨堀からひく。入水量は蛇口で自動調整できる


写真3 オドコバ・麻床場で表皮・繊維を発酵中のアゲソ。オブネの水に浸され、毛布を被せられ発酵中
     オブネとの出し入れは朝夕各1回、計7回行なわれる


写真4 オドコバ・麻床場は間口220㎝、奥行き133㎝、高さ130㎝


写真5 蔵から運び出されたアゲソ(上げ麻)の束


写真6 蔵の1階に保存されるアゲソ(上げ麻)。2階にも保存されている

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 ユカケ(湯かけ)を終えビニールハウスで乾燥されたアサ・麻の茎(注1)はアゲソと呼ばれる(注2)
 アゲソは蔵や天井裏など乾燥した所に保存される(注3)
 鹿沼市上永野の酒巻幸一様も蔵の2階と1階に保存(写真6)
 お盆過ぎになると、茎から表皮・繊維を剥ぐ精麻・加工作業が始まる
 この作業を酒巻夫妻はアサヒキと呼ぶ
 
 アサヒキの第1段階、トコマワシ(注4)を酒巻様宅にみる、次のよう(注5)
   蔵のアゲソはオブネの隣りに搬出される(写真5)
   そのアゲソを水入りオブネ・麻舟に浸す(写真1・写真2)
   アゲソの束を“クル、クル、クルー”と浸す

   浸した束をオドコバ・麻床場に運び、毛布をかぶせて寝せる、発酵させる(写真3・写真4)
   その後6回、朝と夕にオドコバから出し、オブネに浸し、オドコバに寝せる
   各回、35束を出して浸し寝せる

   表皮・繊維を剥けるまで“7回水くれる、クルクルーをやる”
   すなわち、3日3晩、72時間かける
   その結果、表皮・繊維は薄茶色に変わり柔らかくなり、茎から剥ける
  
   写真1・写真2のオブネはU字溝、40年余使っている
   U字溝の前は木のオブネ、板を張り合わせたオブネ
 
   オブネ周りの木材には“昔しっからの発酵菌が付いてる”(写真2)
   “オアカって鞣したかす、あれをとっておいて、冷凍しておいて、またやるときオブネに”入れる
   “これ(オブネの水)は山から来てる、(蛇口は)何リッターと決めとくと自動で止まる、自分で考えて”買ってきた
   “山、500メーター奥から来てる水、自分でひいた”
   “山から自然に流れて来る川から水ひいて、サガボリ・嵯峨堀からひいてる”

 注1 弊ブログ2016年08月25日
 注2 『粟野町誌 粟野の民俗』175頁(昭和57年12月27日 粟野町編集発行)
 注3 上掲書175頁
 注4 上掲書176頁
 注5 “ ”のなかは酒巻様、あるいは奥様の発言。( )は筆者の補足
 執筆・撮影者:有馬洋太郎 撮影日:2016年09月14日 撮影地:栃木県鹿沼市上永野
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