でくの雑談

ただの繰り言ですが・・・

冬茜

2013-12-12 21:57:13 | 日記
黄昏迫ると雖も灯なく
未だ灯を求めず
視線机上の木理に蟠りて心中茫漠たり
いまや惜しむべき はたまた
想い出づるべきなにものものもあらず
人の心の如き喜びも悲しみもなく
ただ星の軌道の如く経過せる
生の深き気息のみ
想う今
冬将に酣ならんとして
春即ち遠し
友逝く

  戻るすべ あらざるものと冬茜  (木偶)

秋日和

2013-09-30 11:38:13 | 日記


庭の金木犀が満開になっています
朝日に併せるかのように香りを放っています
今年は、去年より際立って花の数が多いようです
秋分を過ぎる頃に、つぼみが目立ち始めお彼岸のころから匂いはじめました
天は高く、秋が澄んできたように思います



その日差しの中に、久し振りのように黄アゲハが玄関先に置いた
鉢植えのペンタスの花に蜜を求めて飛んできました
他にも花があるのに、よほどが気に入ったのか、飛び去ったか
と思うと飛んできて花に止まり、また飛び去りまた飛んで来て、
とそんなことを30分近くも繰り返していました
それをこちらは、飽きもせずに眺めていたわけですから、
どうかと思いますがね
いやいや、暇を持て余す年寄りを慰めに来てくれたのかも知れません
秋の日差しを浴びて長閑なひと時ではありました
   
   ペンタス:Pentas(原産地 マダガスカル)
        アカネ科 (和名)草三段花  
      
     秋日差し 魚紋の中の 鯉一尾   (木偶)

久方ぶりのコンサート

2013-06-26 22:35:58 | 日記

22日の晩、娘に誘われて久し振りにコンサートを聴きに出掛けました
演奏はモスクワフィルハーモニー交響楽団、しかも演奏曲目のなかに
チャイコフスキーの交響曲第6番(悲愴)がありましたので、弱った足腰を
ふるいたたせて娘の誘いにのった次第でした
何十年ぶりに、なま演奏で全楽章を聴き感動しました
学生時代に、音楽好きの仲間たちの集まりで聴かされた悲愴のレコードは、
やや擦り減った感じの音でしたが、それでも、いわば鳥肌が立つような
感動を覚えたのをいまだに忘れません
何がきっかけであったのか忘れてしまいましたが、LPレコードが
販売されはじめたのを知り、レコードプレーヤー(当時は電蓄)も
ないままに、悲愴が含まれているシリーズを注文してしまいました
その上、しぶる家内を口説いて、夏のボーナスの半分近くを使って
電蓄を買い込みました、「悲愴」を聴きたいばかりにでした
スピーカーは、当時、NHKやイギリスのBBCで標準スピーカーとして
使われていた、三菱製のダイヤトーンが組み込まれていましたから
音質はまあまあのものだったと思います
大分前に、処分してしまったのを今になって残念がっています
休みの日などは、暇があると悲愴が鳴っていたと、いまだに娘たちの
語り草になっています
それでも、娘が音楽の道へ進んだきっかけのひとつは、しょっちゅうのように
鳴っていた音楽だったと言ってくれるのは、私にとっての慰めです
娘がだいじに仕舞っておいてくれた30枚ほどのレコードを、買い求めてくれた
レコードプレーヤーで聴きなおすのを楽しみにしています

炬燵ふさぐ

2013-03-27 22:17:25 | 日記



「炬燵ふさぎ」ってなんのことか、とむすめに聞かれました
私のこどものころ、3月も末になると部屋ごとにあった炬燵の
布団と炬燵やぐらが取はづされて、床下に取り付けられた炭櫃
の上に板が置かれて、さらに外してあった二尺四方ほどの畳を
はめこんで、これで炬燵のない部屋ができあがります

「炬燵ふさぐ」は春の季語でもあり、類季語に「炬燵の名残」
があります
むすめ曰く、炬燵を占領している年寄りのことを言っているんだと
ばかり思っていたとのことで、さすがに大笑いをしました
やはり春は心がなごみます

庭の辛夷の蕾の外側の殻が割れてきました

   風柔く 蕾を割りし 辛夷かな   (木偶)

春の萌し

2013-02-02 15:57:28 | 日記


西日が映るお隣の壁を見ていると
いくぶんか日が長くなってきているように
思います
陽気も暖かいと思える日がすこしづつ気づかされます
なんといってももうすぐ立春です

昨年の暮れに知り合いの方から頂いた鉢植えの梅の花が
開きました
気を付けて暖かいところに置いてきたことのせいも
あると思いますが、眺めるこちらの気持ちをあたたかに
してくれます

もうすぐ節分で、その翌日が立春です
俳句の季語でいえば、節分は冬、立春は春ですが
暦の上でもここが冬と春の境い目ということに
なります

世情は変わらず騒然、冬まさに終わらんとするも
春はいささか近からず

  仙丈ケ岳(せんじょう)に
        雲一つ浮き 日向ぼこ  (木偶)