玉川上水の辺りでハナミズキと共に

春は花 夏ほととぎす 秋は月 冬雪さえてすずしかりけり (道元)

*小平糧うどん

2017年01月23日 | 玉川上水の四季

 小平に生まれ小平で育ったオープンギャラリーの鈴木さんは、うどん打ちの講師をされたことがあります。小平名物の一つに挙げられるのが「小平糧うどん」です。これは冷たい盛うどんを温かいつけ汁に「糧(かて)」という旬の野菜を茹でたものを入れて食べるといったシンプルなものです。鈴木さんの子供の頃には、冠婚葬祭や行事の際にはうどんを打って糧と共に食べる習慣があり、ご馳走として振る舞われたそうです。

 

 昨年のことを思い返しています。ギャラリーのこの年の最初の「小寒の観察会」のあと鈴木さん宅の庭先の「花のアトリエ」で新年会がありました。六畳間は足の踏み場もないほどです。前日から準備に追われていた鈴木さんは、当日のうどん茹でにも最後まで立ち働いておられました。そうそう、この日は特別に庭先でナズナの天ぷらが揚げてもらいました。今年の小寒の観察会の途中の畑地で、ナズナを発見して一年前のことを思い出したのでした。

 春の七草は、セリ、ナズナ、ゴギョウ、ハコベラ、ホトケノザ、スズナ(カブ)、スズシロ(大根)です。鈴木さんの冊子によると、七草粥の時期に玉川上水付近では七つのうちセリ、カブ、ダイコンを除いた除いた残りの四つは畑地で見ることができるといいます。多年草のセリを除いてすべてが越年草です。越年草は、秋に芽を出して成長し、冬を越して夏までに花を咲かせて成長し、種子を残して一年以内に根まで枯れます。ゴギョウはハハコグサともいいます。この時期のゴギョウは根出葉がロゼットの状態です。ギャラリーの展示写真にもあり、観察会では畑地に自生するゴギョウを見ることができました。

 昨年最後の「冬至の観察会」のあと、「花のアトリエ」で忘年会がありました。新年会に続いてこの年の二度目の糧うどんの会となりました。鈴木さんは、その時もまたうどん茹でに大忙しでした。ギャラリーでお世話になり感謝申し上げねばならないのは私たちの方です。まことにありがたいことです。うどんは茹で加減が大事だといいます。大晦日の日に鈴木さんの打ったうどんを、教えに忠実に自宅で茹でたところ、納得の糧うどんに仕上げることができました。年が明けて、そのことを鈴木さんに報告して安心してもらいました。ところでギャラリーの展示および観察会は、今年の立春で九年目に突入することになります。

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