迦陵頻伽──ことだまのこゑ

手猿楽師•嵐悳江が見た浮世を気ままに語る。

しんぶんはなにをつたゑるか。

2016-12-20 13:04:41 | 浮世見聞記
横浜の日本新聞博物館“ニュースパーク”にて開催中の、「こんな時代があった 報道写真『昭和8年』1933」展を見る。


世界中が戦争に向かって不穏な動きを見せるなか、日本では東海道本線の丹那トンネルが開通し、築地市場が落成―


そして、今上天皇が誕生した。

私の師匠が生まれたのは、その三日前―そう、今日だ。



世界中が軍国色に染まろうとしてゐるなか、庶民はまだまだ平和な生活を送ってゐた様子は、のちに空襲ですべて破壊されることになる街並みの写真が、よく伝ゑてゐる。

―いつの時代も、歴史の犠牲になるのは決まって、庶民である。


なぜか?


それはいつだって、事実を知らされないからだ。


かつて世界中を戦争に巻き込んだのは、操作した報道で世間を熱っぽく煽った、これらマスコミたちでもあることを、忘れてはならない。


そしてわたしは、エドガー・アラン・ポーの推理小説「マリー・ロジェの怪事件」の一節を、再び思ひ出す。

『一般に、新聞紙の目的とするところは、真実を追究することよりも、むしろセンセーションをつくり出すこと―議論を立てること―だということは、憶えていなければいけないね。』


新聞社がいくつも存在し、伝ゑる“真実”にそれぞれ違ひがあるのは、つまりこのためだ。


新聞紙に書かれた見解は、あくまでその新聞社―及び記者―の考えであって、公論ではない。


それをよく踏まえなければ、

いざ事が起きた時、

私たち大勢は少数の何者かによって、

踊らされ続けることになる……。
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