迦陵頻伽──ことだまのこゑ

手猿樂師•嵐悳江が見た浮世を気ままに語る。

腹心の意地をばここに見せつらむ。

2017-02-18 22:24:38 | 浮世見聞記
水道橋の能楽堂で、宝生流の「兼平」を観る。 先日の旧中山道探訪の際に訪ねた、今井四郎兼平の墓を思ひ出しながら、粟津合戦を語るシテの姿に観入る。 生と死が常に紙一重だったこの時代、命を絶つことで名を末代まで残す行為は、生きてゐるうちに名声に求めて簡単に目を眩まされる現代人には、到底理解の外だらう。 いつであったか、やたらと「命懸け」を口にする男がゐた。 彼はどうやら、その言葉の響きに、 . . . 本文を読む
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