Catch the words

from Shizuoka/name is "slide"

寄せては返す

2012-08-31 | Weblog








全てに命あり
道にも空にも虫にも人にも街にも


そこに愛があった証があり
ゆえに、その心と体の中には
道があり
空があり
愛がある
生み出す力がある


一周を何回も繰り返しながら続いてきた原動力
続いていく理由
一切が、寄せて返す波音の手の平
消えゆく砂の一粒は
螺旋の力に導かれ


目をつむる瞼の裏に今夜の月と明日の太陽
その継ぎ目に照らされた青い雨雲は
全てを生み出す力を降らす


生み出せ
作り出せ
導かれるままに
















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温度

2012-08-26 | Weblog






例えばそれは

木陰で犬が寝そべる夏蜜柑の木
庭の小さなブランコ
かき氷が乗った夏の日のテーブル
いつも同じ味噌汁の匂い
祭りの夜、うっかり手を離し飛んでいった赤い風船


過去の風景を思い出してばっかりなので
いぶかしげに見つめてみるけど


思い出の中には温度がある
色がある
光もあるはず
その時の季節や風や人の気配がある


そこから派生した物語がある
景色や、
繋がってきた『今』がある
やんわり僕を支配する思い出の中にも可能性がある
過去と未来は濃く繋がってる


例えばそれは

夏蜜柑の木陰に見た予感
甘いシロップの仄かな幸せ
空高く昇っていく風船の行き先

















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緑色の波

2012-08-24 | Weblog







暑くて暑くて、息をするのにも苦しいような毎日
動けば汗が滴り
止まれば世界も熱気を帯びて微動だにしない


姉が三つ編みをしていた頃は、日曜日になると海へ行って
寄せては返す波を追いかけたり追いかけられたり
砂の上に文字を描いたり絵を描いたり
時々、小さな山を盛ってトンネルを掘ったり


海の隣で日曜日の午後を楽しんだ
帰り道は、蓮華畑の中で姉たちが
花の首飾りを作っている姿を、蓮華の花の隣でただ眺めていた


時は経ち
蓮華畑は消え、三つ編み姿の姉は奥さんに
海は坂から見るだけのものとなり


今は、茶畑を眺めながら僕は
みんな平和に元気でいてくれることを祈っている自分を、
寄せては返す緑色の波の中で確かめる
そんな景色は、遥か彼方から、ずっと微動だにしない

時は経っても
















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小さな楽園

2012-08-19 | Weblog






半袖Tシャツから長袖シャツに着替え、なるべく厚い生地のジーンズを履く
春頃に新しく買った長靴は、履き心地が良い
グリップは破れてしまっているけど、まだまだ使えるからグイっと手にはめる
蚊の襲撃が凄いので、蚊取り線香は必ず持参し
そろそろ暑さも和らいできたかという時間に、意を決して外へ出る
でも、まだまだ暑い八月だ


時々、草とりをする
いつの間にか草の背丈は伸び、畑の野菜たちよりも主役の顔になっている草を取る作業は、
小さな世界を観ること


雑草と雑草でない植物の境界線って何だろう?
雑草の花はどれも可愛いから抜くのは本当は嫌だけど、
このままでは野菜が成長できないから仕方ない、抜かせてもらうよ、ごめんね

草を抜くと、蟻や団子虫や天道虫、名前の知らない虫たちが、
住み心地良かった場所がなくなってビックリして右往左往してしまうけど
突然住み処をなくしてしまって、平和に暮らしていただろうに、ごめんね
ここは、虫たちの小さな小さな世界があるところ
どっかどっかと長靴履いて踏み入って、人間は本当に無神経で、ごめん…


なんてことを頭の中で考えながら草取りをする
その間、草に、虫に、何回謝っているか分からない
我ながら変な人間だと思うけど口に出して言ってる訳でないから、まぁいいかと
濡れ縁に座りグリップを外し長靴を脱ぐ
草取りを終える頃は、額や首に汗が滴る程に暑い
でも、とても良い気持ちの爽快感
緑の中にいることや、虫と少しの時間でも一緒の空間にいることや土に触れることは
やっぱり、人間にとって心地良いことなのだろうと
いつも濡れ縁で思う
もやもや思っていたことや悩み事も、いつの間にか草と一緒になくなっている
それに、光や風や鳥の声も、町の音も全てが聴こえて心はとても静かになる
それらは、停滞している心模様を連れていってくれる楽園みたいな存在なのかもしれないと
ありがたい存在なのだと、その都度思う
着替えた後は、シャツとジーンズも、洗濯カゴの中で感謝の汗で染まっている


土に触れることは良いことだと感じる
想像するより、驚く程、ずっと穏やかな気持ちになる
そう、虫たちがビックリしていたくらい
それらが導いてくれるから、一度でいいから触れてみてほしいくらい


虫たちは今頃、住み処を新しく見つけて眠っているだろう
僕らも虫のように丸くなって眠ろう
生まれる前に、すやすや雲のベッドで眠っていたように
コンクリートが覆ってしまう前の大地を思い出しながら
















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夏の味

2012-08-17 | Weblog








日差しの中には、今年の夏の景色があった


甥と虫とりにいった
宿題を手伝った


姪とゆっくり話をした
大切にしていた宝物をあげた


祖母に、亡くなった祖父の思い出話を聴いた
天国と地上と離ればなれになっても、今も二人は
あの頃と同じだと感じた


トウモロコシを供えた
手を合わせて、ありがとうと言った


花火があがる街を通りかかった
偶然に喜んだ
夏の曲を弾いた
いつの間にか、同じ曲を姪が弾けるようになっていた


夏を味わった
仄かに、懐かしい味がした


風が群れとなって、流星と一緒に舞っていった

君がいる世界の片隅まで
















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