
先だってのある日、次女が小中学生向けの月刊誌「Newsがわかる」を読んでおりました。
その号は昨年11月に発行された12月号で、娘は「生きている地球」と題された巻頭特集を熱心に見ていました。地球惑星科学に基づいて、地球内部の構造を解説したり、誕生から46億年間の地球の状態の変遷について解説した記事です。
こういう感じ↓に、分かりやすいイメージ画もついてます。

そのうち、この誌面↓を見ていた娘が疑問を投げかけてきました。

「マントルって、グルグル動いているんだね。それって誰かが見に行ってきたの?」
「地面の下に潜ってマントルまで行くことって、出来るの?どうやるの?」
少々戸惑いつつ
「マントルまで行くことは出来ないのよ。そこまで深い穴を掘るのは無理だから。」
と答えると
「じゃあなんで、地球の中がこうなってるって分かったの?」
と予想通りの質問をされました。
「見に行ったわけじゃないんだけどね。いろいろ調べて考えて、こういうことなんだろう、って推理したの。」
そう大雑把な説明をしておいたのですが
「ふーん。穴を掘ってどんどん進んで、地球の中へ行ったらどうなってるか見れないの?」
と、また楽しそうに問われました。
好奇心に目を輝かせている娘に
「いやぁ・・・それはやっぱり無理。人間が潜って行ける距離は長くないのよ。」
とキッパリ言うと
「なんでー?」
「酸素もないし。暑いし。」
「暑いの?」
「深いところは暑いらしいよ。」
「なんでー?」
「なんでかはママにはわからない。」
という会話に続きました。
娘とそんな会話をした後、私はしばらく考えました。
マントルまで、少なくとも有人探査機を向かわせることは不可能だろう。では無人探査機ならどうなのか。そういう計画はないのだろうか?と。
そこで調べてみたところ、やはり無人探査の計画はありました。2005年に完成した「ちきゅう」という、そのまんまな名を付けられた地球深部探査船が、その任務を負っていました。
その勇姿がこちら↓です。

この画像には写っていませんが、海中を通り海底へと伸びる掘削機のドリルストリングスは1万メートルもあるそうです。富士山を縦に3個並べたほどの長さだそうで、マントルまで掘ろうかというだけのことはありますね。
独立行政法人海洋研究開発機構(Japan Agency Marine-Earth Science and Technology:JAMSTEC)という組織の一部門に、地球深部探査センター(Center for Deep Earth Exploration:CDEX)というところがありまして。このちきゅう号を用いた探査計画は、このセンターが実務を担っています。
しかしここまでの規模の探査計画となると、一国だけで為せるものではなく。多くの国の協力に基づいて進められています。2003年に発足した、日本と米国の主導による「統合国際深海掘削計画(Integrated Ocean Drilling Program:IODP)」というものです。
アメリカの探査船ジョイデス・レゾリューション号や、欧州海洋研究掘削コンソーシアムの特定任務掘削船もこの計画の下、ちきゅう号同様に科学研究航海を行っています。
ちなみに欧州の組織が運用している掘削船には、砕氷船もあるようです。むっちゃ寒そう・・・こんなところでも頑張ってるんですね。

この統合国際深海掘削計画にあって、マントルを採取するというのはたくさんある研究項目のうちのひとつです。その他にも、地震発生のメカニズムを解明するとか、海底の地中の生息する生物を研究するといった目的もあります。
海中・地中の世界には、宇宙と同じくらい未知の世界があるんですねぇ。なんだかワクワクします。
小惑星探査機「はやぶさ」が宇宙の海を渡って帰還したあの日、大きな感動を覚えたものですが。地球深部探査船ちきゅう号の掘削機がマントルに到達する日、また感動を覚えることができるかもしれません。

まぁ、宇宙探査に比べると地中探査って地味に思われてそうな気もしますが。
地球の内部が空洞になっていて、そこに別世界が広がっているというSF小説「ペルシダー・シリーズ」というのもありますし(読んだことはないけど)。やはり未知の世界に対しては、夢と希望と不安の入り混じった豊かな想像が広がるのでしょう。
そういや、「ザ・コア」っていう映画もありましたね。

地球の核(コア)が停止したことにより、人類は存亡の危機に立たされてしまう。
そこで科学者が考案した打開策は「地下1800マイルまで潜り、液体金属で構成されるアウターコア(外核)に核爆弾を仕掛け、その衝撃をもって再びコアを回転させる」というものだった。
選ばれし6人のテラノーツが、この危険な任務に立ち向かってゆく・・・
── ってな話だそうです。
観ておりませんので、詳しいことは存じませんが。有人機で地下1800マイル(約2900キロ)まで潜るって、かなり無茶ですよ。絶対に出来ないとは申しませんが、車の運転をするような要領で地中を移動するのは無理です。
あーいやいや、娯楽映画にそういうことを求めちゃいけないんですけどね。ええ、わかっております。
しかし「アストロノーツ(Astronaut)」から引用して「テラノーツ(Terranaut)」って呼ぶところは気に入りましたわ。
ちょっと観てみたいかも。
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小中学生向きか。
大人にも通用しそうだよね。
私は見てみたいなぁ〜。
掘削船は氷の上のほうが安定しそうですね。
嵐のときとか船が煽られずらいと、素人判断ですが。
後は海流の関係ですよね。
どこでも出来る訳ではないですよね。
長いパイプを延ばす訳ですから。
この「ザ・コア」、レビューでは映像が美しいという評価もあるんですよ。なので、どんな地中世界が描かれているのか、興味がわきました。
氷海の上で作業・・・想像しただけでしもやけができそうですわー
地球深部探査センターのサイトに、ちきゅう号のスケジュールが公表されているんですが。船には「マントルまで掘り進める性能」があるけど、「マントルまで掘る計画」は今のところ具体的に上がってないみたいですね。これからなのかな?