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旅するシルクロード

2017-04-06 00:24:56 | 映画
ル・シネマで「ヨー・ヨー・マと旅するシルクロード」を見てきました。

世界的チェロ奏者のヨー・ヨー・マが、「音の文化遺産」を世界に発信するために立ち上げた“シルクロード・アンサンブル”とそのメンバーを追ったドキュメンタリー。東西を超える音楽家達を通して、音楽とは、文化とは、人生とは、そんなことを考えさせられる壮大なドキュメンタリーでした。(以下、ネタバレ気味です)

登場するメンバーは、ヨー・ヨー・マに加え、中国の琵琶奏者、イランのケマンチェ奏者、シリアのクラリネット奏者、スペインのバグパイプ奏者、日本の尺八奏者など。祖国での過酷な過去を背負っている者もいます。奏者として一流の彼らでさえ、なぜ音楽するのか、という自問自答を続けていました。「音楽は銃弾を止められない、腹も満たせない」と言いつつも、文化の力を信じ続ける強さ・・・。

そして、彼らの中核をなすのがヨー・ヨー・マ。音楽エリート中のエリート、というイメージでしたが、彼もいろいろな批判を受けていたのですね。若い頃は「(自分の)声がない」ということを言われていたりもしたのだとか。そして、ツアーのプレッシャーに苦しんでもいたそうです。信じられん・・・。そんな彼にとってもシルクロード・アンサンブルは必然だったのかもしれません。何といってもアンサンブルのメンバーとノリノリの曲を演奏する顔の嬉しそうなこと。クラシックの曲を演奏している時よりもよほど楽しそうに見えてしまったりもして・・・。とはいえ、やっぱりクラシックの曲の演奏も素晴らしい。バッハの無伴奏チェロ組曲、メシアンの「世の終わりのための四重奏曲」、ダンス付の「白鳥」・・・。

シルクロードを通じて東西の音楽家が行き来していなかったら、ヨーロッパの音楽も中国の音楽(?)ももっと違ったものになっていただろうというような言葉もありました。そんな距離や時代を超えてしまうのが音楽、ということを彼らの演奏は目の当たりに、というか耳の当たりにさせてくれます。月並みな言葉ですが、音楽は時代も土地も超える、そして、権力はいつか消えるけれど、文化はその力を信じる者がいる限り、永遠に続くのかもしれない・・・そんな希望を与えてくれる映画でした。
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