今までなかった1食200円のカレーライスでお腹はいっぱいに(撮影/北村篤裕) 

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 原価率研究所――そのネーミングもさることながら、激安の200円でカレーライスを提供する新潟発の飲食チェーン店がじわじわと注目を集めている。

 メニューはカレーのみ、値段はたった200円。新潟市内には新潟駅前ほか8店舗をもうけ、東京の竹ノ塚と梅屋敷、そして山口県宇部市と現在11店舗に拡大中だ。そして今後も、原価率研究所は日本全国1,000店舗の展開を目論んでいる。

 2016年5月現在で、業界最大手の「カレーハウスCoCo壱番屋」は1,444店舗(国内1,282、海外162)、業界2番手の「ゴーゴーカレー」は76店舗(国内68、海外8)であり、売上高と店舗数ともにココイチの独走状態が続いている。一方で原価率研究所にはフランチャイズの問い合わせが殺到しており、100店舗という業界2位の地位も現実味を帯びている。「安くて、うまいカレーライス」というブルー・オーシャンの開拓ができるならば、これは決して夢ではないだろう。

 そこで今回は、謎の「原価率研究所」とはいったい何なのかを探るべく、開店当初に行列ができるほどの人気を誇った東京の竹ノ塚店に足を運び、取材した。

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「原価率研究所」は、東日本大震災で被災し、新潟県の人々にお世話になった創業者の「新潟に恩返しをしたい」という思いからスタートした。創業の当初から、全国1,000店舗を目標にフランチャイズ展開しているという。近い将来には、日本全国で200円カレーを求めている人々にも届くということだろうか?

「創業当時から1,000店舗に拡大することを目標にしていて、いま新潟には8店舗、今年1月28日には竹ノ塚店がオープンしました。200円カレーの原価率研究所が全国各地にできることで、100円玉2枚で1食分の食事を済ませられることがひとつの常識になることを目指しています。フランチャイズ展開にあたっては、店舗を運営する人材を育てることを重視しているので、店長を任せられる人を育てて、それに合わせて店舗を展開しています」(原価率研究所・石田氏)

 日本ではカレーハウスCoCo壱番屋、ゴーゴーカレーといった店が人気を集めている。こうした他のカレーチェーン店との違い、差別化されている強みは何か。

「まずは『原価率研究所』という名前のインパクト、何をやっている店なんだと興味を持っていただけること。そして200円という価格です。弊社の後発で似たような激安カレー店は乱立していますが、そのどれもが苦戦している状況です。やはり200円という価格で提供していくのは難しいんです。そして、いま展開している他のチェーン店では、500円以下でカレーライスをなかなか食べられない。国民食であるカレーライスを安く提供できる、それこそが強みです」(石田氏)

 低価格ながらも、原価率研究所のカレーライスは味と食材にもこだわっているという。ずばり、200円カレーだからこそ“食の安全”は心配ないのか。

「200円カレーは老若男女問わず、誰もが何度も食べられるように、一般的な飲食店での“おいしさ”ではなく“普通の味”を追究して作られています。もちろん安心して食べていただけるように、国産の食材にこだわり、カレールウは大手食品メーカーと共同開発した材料を使用しています」(石田氏)

 実際に200円カレーを口にしてみると、どこかで食べたことのある普通の味という印象だったが、ボリュームは満点。200円で満腹になれることを考えれば、この価格は衝撃だ。しかし、200円でカレーを提供し続けることは決して簡単ではない。竹ノ塚店も駅から離れており決してよい立地とは言えないが、そこには「地域を活性化したい」「災害時にも食を提供したい」という熱い思いがあった。

「カレーを販売することで地域活性化に貢献したいという思いがありまして、竹ノ塚店も駅から離れてはいますが、人を呼び込んで盛り上げたい。食生活の拠点としての役割も担いたいと考え、災害の起きやすい地域への出店も進めていきます。200円カレーは独自の技術・ノウハウにより、50人分のカレーを約10分で作ることができるため、各店舗に食材の備蓄在庫を常備し、災害時などの食生活の拠点となることができます。実際に、現状では多くの方に来ていただいているので、目標は達成しているという自負はあります」

 近い将来、あなたの住む街でも「200円カレー」が“なじみの味”となっているかもしれない。 <取材・文/神田桂一 北村篤裕>