2016年は、通信業界にとって携帯電話の端末料金の「実質0円廃止」や「MVNO」いわゆる「格安スマホ」市場の拡大など、「料金」に翻弄(ほんろう)される1年となった。

 これまで各社は「実質0円」など携帯電話の端末代金の割引を打ち出してきたが、総務省の提言により、2016年4月からこうした極端な割引を廃止した。「実質0円の廃止」による携帯電話の端末代金の割高感から販売台数が激減したことをうけ、大手キャリア3社は、それぞれ格安のスマートフォン端末を発表したり、新料金プランの提供を始めたりするなど対抗策を打ち出した。

 その一方、2016年に勢力を拡大したのはいわゆる「格安スマホ」や「格安SIM」を販売するMVNO(仮想移動体通信事業者)市場だ。MVNOは、大手キャリアの回線を借りることで大手キャリアよりも利用料金の安いプランを提供しているのが特徴だ。これまでは、料金プランのわかりづらさや知名度の低さなどが課題となっていたが、大手キャリアと同じような端末とのセット売りや店頭でのサービス強化、イオンや楽天、LINEなど知名度が高い企業が続々参入したことなどから、市場規模は約3倍に拡大した。(MMD調べ)

 続々と登場する「格安」端末や料金プラン。価格で勝負できない大手3社は、携帯電話端末の販売だけでなく、決済サービスやポイントなどの強化で長期の利用者を定着させ、さらに新規の顧客を取り込んでいく考えだ。