山形県飯豊町の白川湖は四季折々、美しい姿を見せる。特に夏前のひととき、山から雪解け水が流れ込んで増水し、群生するヤナギ林が湖に浸る。若葉の木々が水面から幹を伸ばす神秘的な景色が現れる。

 この“水没林”が出現するのは春、田植えのために放水される5月下旬までの約1カ月間。時季限定の絶景だ。

 最上川支流にある一帯は水害に悩まされた歴史を持つ。昭和42年の羽越水害では多くの犠牲者が出た。56年、洪水や渇水を防ぐため白川ダムが完成、白川湖はその人造湖だ。

 市民の生活を守るとともに、湖畔には公園やオートキャンプ場が整備され、憩いの場にもなっている。

 水没林が出現する時期には、一目見ようと多くの観光客が訪れる。同県高畠町の女性は「最近まで知らなかったが、素晴らしい景色。緑を見ると日常を忘れて癒やされます」と見とれていた。

 夏を迎えると水位が下がり、湖底があらわになる。近くの自然体験拠点「源流の森」マネジャー、伊藤礼雄さん(39)は「夏本番に湖底を散策すれば、動物の足跡やアオサギの巣などが観察できます。冬は積雪の中、かんじきで歩き回ることができ、四季それぞれ違った魅力があります」と話す。

 新緑の季節、夜明け前に湖畔を歩くと、真っ白な朝靄(あさもや)が水面を覆っていた。靄がかる木々が静かな湖面に映る光景に息をのんだ。まもなく日が昇り、ふと見上げると、晴れ渡った空に雪を残した飯豊連峰が高くそびえていた。(写真報道局 松本健吾)

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