広島マツダ工場で作られるイタ車「アバルト124スパイダー」はステキな“ハーフ車” 

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 イタリアの種馬一族が広島の可憐な妖精と出会い、見た目はガイシャなのに国産車の安心感を備えたステキなハーフ車が誕生しました。純粋でまっすぐ、仁義を重んじそうな広島男児(マツダ・ロードスター)にはないイーカゲンさを持ち合わせており、なかなか憎めません。そんなイタリアの心を持った広島男児がアバルト124スパイダーであります

MJブロンディ=文 Text by Shimizu Souichi
高木博史=写真 Photographs by Takagi Hiroshi

◆自動車業界にもハーフ芸人現る? 広島生まれのイタリア車登場

 SPA!読者のボンクラ諸君こんちくわ! 突然だけど、ボンクラ諸君は左ハンドル車を運転したことがありますか?

 あ、やっぱりない。左ハンドルどころか免許もない。彼女もない。貯金もない。ないないづくしのボンクラエリートですなあ、ワッハッハ! 私は通常のエリートなので、左ハンドル車を持っています。自家用車3台中2台が左ハンドルです(どっちもイタリア車)。

 よっぽど左ハンドルが好きなんだろうって思うでしょ?

 好きじゃないです。だって不便だもん! 路駐すると運転席から乗り降りがしづらい。駐車券も取りづらい。右折レーンで対向車が見えづらい。いいことなんか何もない!

 それでも左ハンドル車に乗るのは、欲しいクルマがたまたま左ハンドルしかなかったからで、日本で乗るなら右ハンドルがいいに決まってる。近年は輸入車でも大部分が右ハンドルだ。昔は「左ハンドル信仰」なんてのがあったけど、地上げ屋とともに消えました。めでたし、めでたし。

⇒【写真】はコチラ(アバルト124スパイダー)http://nikkan-spa.jp/?attachment_id=1230159

 それでも消えないものがある。それは、輸入車の左ウィンカーだ。

 輸入車は右ハンドルでも、ウィンカーレバーは左側についている。右側はワイパー。元が左ハンドルなので、右ハンドル車でも左用ハンドルを流用しているからです。

⇒【写真】はコチラ http://nikkan-spa.jp/?attachment_id=1230176

 よって国産車と輸入車を両方持ってると、たまに間違えて交差点でウィンカーではなくワイパーを動かしちまう。ボンクラ諸君はそんなクルマを目撃しても何も感じないでしょうが、今後は「あっ、家にガイシャと国産車、両方あるのかな?」と理解するように。理解したところで何のメリットもないが。

 とまあ、輸入車は右ハンドルでもウィンカーは左なわけですが、こちらの赤いオープンカー、アバルト124スパイダーというクルマはですね、イタリア車なのに右ハンドルで、しかも右ウィンカーなんですよ! こんな輸入車に乗ったのは生まれて初めてかも!

 しかもしかもさらに驚くべきことに、このイタリア車、国産車なんですよおおおおおおおお~~~! だって広島で作ってるんだもん。

「はあ!? イタリア車を広島で作ってるだあ?」

 ボンクラでも、いやボンクラだからこそ理解に苦しむことでしょう。お好み焼きかそれは!と。このアバルト124スパイダーは、マツダ・ロードスターをベースにしたイタリア車で、エンジンはイタリア本国製を船で運んでくるけれど、生産は広島のマツダ工場。つまり国産車なのだ! ロードスターがベースだからウィンカーも右です。

 だから何? と思われることでしょう。どうせクルマなんか買わないんだからカンケーねえと。免許も彼女も貯金もねえし。

 ところがですね、日本という国はボンクラだらけでして、「輸入車は怖いけど国産車なら安心」という腰抜けがまだ多いんですよ。そんな腰抜けのアナタには、この広島製イタリア車はうってつけ! ウィンカーも教習車と同じ右だし。

 もうひとつメリットがあります。それは、どう見ても輸入車に見えること!

 マツダ・ロードスターは死ぬほどいいクルマで、デザインも走りも何もかも世界最高級にステキだけど、逆立ちしても国産車だ。ところがアバルト124スパイダーは国産車なのに完全にガイジンに見える。まるでハーフ芸人!

 運転した感じも、すべてが素直で清潔感満点なロードスターに対して、アバルト124スパイダーはロードスターよりパワフルなターボ付きエンジン。ボディもデカく、随所にイーカゲンな風情が滲み出ている。運転してどっちが楽しいかって言ったら断然ロードスターだけど、チャラチャラ華やかに見えるのは圧倒的にアバルト124スパイダーだ。

 つまり、「あなたもこれを買って、ハーフ芸人になってみませんか!?」というご提案でした。

【結論】
ハーフ芸人なアバルト124スパイダーですが、値段はマツダ・ロードスターより100万円くらいお高いです。「国産なのにフザケンナ!」と思うかもしれませんが、誰も国産車だとは思わないので許してあげてください