川べのお茶

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施主ということ ~百年名家

2017-02-13 | いろいろ
日曜日の昼下がり、
自宅にいるときはたいていこの番組を観ています。

BS朝日「百年名家


さまざまな時代を経て現代まで残った住宅には
何とも言えない美しさがありますね。
建物自体が優れているのはもちろん、
持ち主の方々が大事にされてきたからこそ今も在るわけで、
「愛されてきた家」の輝きがある、と思うのは穿ちすぎでしょうか。


・・・なんてキレイなことばかり考えているわけはなく笑、
うわ、あのおさまり。現場は泣いたろな。
うんうん意匠優先て言われるよね。平らにしてやり易くなんて、ご法度だよね。

などと、
今も昔も変わらない設計と現場のせめぎあいを(自虐的に)楽しんでいます。
(設計事務所のお仕事、結構やっておりますからね・・・)




そして昨日(2/12)放送の葉山の加地邸。
旧帝国ホテルの設計者として知られるライトの愛弟子、遠藤新の傑作ですが、
これが着工時、設計者の指示で最終図面を左右反転して建てられたというのです。

いいんですよ?(←えらそう笑)
たぶん設計者としては「このほうが絶対いい!」と思ったのでしょうしね。
問題は、その変更が施主には伝えられていなかったということ。
施主さんは着工中の現場に来て、初めて知ったとか。

その時の施主と設計者の会話はいかばかりか。
そして(現場を進めながら)それを聞いている職方さんの気持ちたるや。
(や、やり直し?)

うわー。
ぞくぞくする。

まあ最終的には施主さんはこの家に大変満足されていたそうですが、
でもねー、何で一言なかったのか。
それとも強行突破しなければならない、何かがあったのか。
90年ほども前のこと、今となっては推測するしかありません。


現代でも聞かないでもない(!)こんな話を聞くたび、
「施主」という意味を思います。
建築の世界で「施主」とはもちろん建て主・工事発注者のことですが、
本来は仏様にお布施(御供養)をする人のこと、
またこの2つ以外「施主」という言葉を使うのを聞いたことがありません。
(浅学なだけかもしれませんが)
建て主様、発注者様ではなく、なぜわざわざ「施主」なのか。

建物は 設計(考える人)と施工(造る人)と施主(資金を出す人)、
この3者が揃って初めて現実として建ち上がるもの。
どれが欠けても絵に描いた餅です。
世の中のたいていのことは自分ひとりの力ではままならないものですが、
それにしても建築主さんの主たる役割は「資金提供」、
誤解を恐れずいうならば、
出来てみなければ解らないモノに大事なお金を出して頂く、
このあたりが「施主」たるゆえんなのかな、と訥々考えてしまうのです。

なんであれ「施主」様の志、けして無下にはできませんね。


  設計と施主の過去記事 → 


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