台風号と号の影響で日本列島は翻弄されているようである。
アベック台風からつの台風になるという恐れはなくなったが、それにしても号の低気圧の発達には恐れ入る。
アメリカ辺りを襲うハリケーンではときおり見かける強さの低気圧だが日本近辺ではあまり見かけない程の発達の仕方である。
幸い日本列島を直撃する恐れはないようだが付近を航行する船舶は充分警戒する必要がある。
こんなのにまともに来られたらたまったものではないから恐らく退避するだろうがそれにしてもこの低気圧の発達の仕方は異常である。
ところで当地域では朝から時折雨が降っている程度だったが昼近くには殆んど降らないのでずっとこの調子でいてくれるかと思って久しぶりにSの店に行くことにした。
西の空も明るいしこれだったら雨も降らないのじゃないかなんて勝手に想像して傘も持たずに昼過ぎに東方面行のバス停に行く。
そしていつものようにつ目のバス停で降りてひたすら北の方向に歩いてよく知られたアーケード商店街に入ってすぐの所にある寿司屋でいつもの握りカンを食べることにしたが今日は私が入った時はカウンターも比較的空いていたが私が入ってしばらくしたら次々と客が入って来て結構混んできた。
早々と食べ終えてまた北へ歩いて行き、Sの店にやって来たが、歌声も聴こえないので珍しく静かだなと思ってドアを開けるとナント常連客が人だけである。
私がこの店に来だしてから年近くになるがこんなに客が少ないのは初めてである。
「どうしたのいつも奥にいる粋なオバちゃんと歳の若い男性は…」と言うと担当の女性が「多分もう来ないのじゃないかと思う」というから「貴女が嫌われたの?」と言うと「私とKさん(粋なオバちゃんのこと)とは仲がいいから何もないけど店の中で何かあった様だ」と言う歯切れが悪い言い方である。
「Kさんは誰にでも話しかけたり、人の歌で調子を取って踊ったりして楽しいオバちゃんなのに何で来なくなったんだろうね」と不可思議なことである。
多分担当の女性はその原因は分かっているのだろうが表立ってお客さんのことを言えないのであろう。
取り敢えずチケットに最近覚えたばかりの浜田省吾の「家路」を書いて出したが、私の左隣のカウンターの一番前に座る常連のOさんだけが私が入って来る前に曲歌っていたそうである。
Oさんが曲目を歌って次に私が今日初めて歌うことになったがその時になって私の次に常連のMさんがやって来た。
このMさんは私よりつほど歳がいってるようだが、腹の底から歌っているので大きな声で歌ってリズムも合っているし中々上手である。
私が曲目を歌った後に歌い始めたのが長渕剛の「シャボン玉」である。
このMさんとは初めてか月ほど前にカウンターに隣同士で座るまではステージ近くに座っていたのでしゃべることもなく私がいる時には意識してポップスをぶつけてくることが多いが、今日もいきなりポップスである。
だけどこのMさんは途中から私が座っている右隣のカウンターに座ったが、話をする前までは私が歌っても拍手をすることがあったりなかったりしたが、最近は必ずと言っていいほど拍手をしてくれるようになった。
時近くになって今まで粋なオバちゃんと一緒だった歳の男性から電話が店に入り「今から行く」ということだそうである。
初めて見る女性と一緒にやって来て最初は奥に人の女性客がカウンターに座っていたので私の隣に座っていたがその後すぐにその女性たちが帰って行ったので奥に座り直した。
隣に座っていた時に「Kさんは何で来なくなったの」と聞くと分からないということで、「とにかく人では店に入らない」ということである。
時になったので店を出たが「雨が降っているネ」と言うと、送り出しに来た担当の女性が「傘を持っていく?」と言ったが「地下鉄で帰るからあまり濡れないのでイイッ!」と言って地下鉄駅へ行き電車を乗り継ぐまでは大したことがないショボ雨だったのに到着した自宅最寄駅で降りて地上に上がると結構降ってすぐに濡れるような大粒の雨である。
普通は北の方で雨が降っていても自宅最寄り駅で降りると大抵ウソみたいに雨が降っていないことが多いのに今日は真逆である。
自宅まで走って帰って来たが我ながらいい年こいてよく走れるもので途中か所でホンのひと時だけ雨宿りしただけである。
普通のオッサンなら先ず走ることは考えないであろうが、私は走るのである。
それもチンタラでなく勢い良くである。