「若草物語」1994年版ジリアン・アームストロング監督
自分の満足度★★★★★(90満足)
「若草物語」は何度もリメイクされ続けており、1994年に公開されたジリアン・アームストロング監督のものが最も新しく、ですので現在を生きる私達の感覚に近いものになっており、親しみやすく見やすい形に出来上がっています。少女に向けてだけではなく全世代の女性が楽しめるよう丁寧に作られており、昔少女だった人たちも安心して物語の世界に入っていけます。監督含め主要スタッフを女性が勤めており、原作者が女性であることを考えると、おそらく1994年版が最も原作に寄り添ったものとなっているのだと思います。スーザン・サランドン演じるお母様に比べて、お父様の扱いが冷遇されているのもジリアン版の特徴です。このお父様の扱いの薄さは、放映時間云々ではなく意識的に無視しているとしか思えない扱いで、この部分のみ1994年版に「え~何故?」と疑問が残りますが、作り手側は観客である女性のために女性達が輝く映画を撮りたかったのだろうと思います。
剛速球の直球ど真ん中を自信を持って投げ込みましたという感じのシンプルさが大変心地よく、4姉妹役の女優陣もはまっており安心して観られる良い作品となっています。メグもジョーもエイミーも大変よいのですが、とくにベス役のクレア・デーンズがはまりにはまっており、私は映画を観ながら「ベスがクレア・デーンズに降りてきているよぅ」とおののいてしまいました。男性陣もなかなか素敵でベア教授役のガブリエル・バーンも控え目にされど渋く光っていますし、ローリー役のクリスチャン・ベールも見目麗しい坊ちゃまにすっぽりとはまっています。役者達の熱演に引っ張られて観客である私達はこの懐かしい物語が発する幸福感に身を沈めながらも、スクリーンの中をシンプルに前を向いてそれぞれの道をシッカリ歩いて行こうとする彼女達の姿を観て、観終わった後その幸福感がいったい何なのかゆるやかに感じることになるのです。
「人とは本来善なるもの」
力強い人間肯定のドラマだと思います。
自分の満足度★★★★★(90満足)
「若草物語」は何度もリメイクされ続けており、1994年に公開されたジリアン・アームストロング監督のものが最も新しく、ですので現在を生きる私達の感覚に近いものになっており、親しみやすく見やすい形に出来上がっています。少女に向けてだけではなく全世代の女性が楽しめるよう丁寧に作られており、昔少女だった人たちも安心して物語の世界に入っていけます。監督含め主要スタッフを女性が勤めており、原作者が女性であることを考えると、おそらく1994年版が最も原作に寄り添ったものとなっているのだと思います。スーザン・サランドン演じるお母様に比べて、お父様の扱いが冷遇されているのもジリアン版の特徴です。このお父様の扱いの薄さは、放映時間云々ではなく意識的に無視しているとしか思えない扱いで、この部分のみ1994年版に「え~何故?」と疑問が残りますが、作り手側は観客である女性のために女性達が輝く映画を撮りたかったのだろうと思います。
剛速球の直球ど真ん中を自信を持って投げ込みましたという感じのシンプルさが大変心地よく、4姉妹役の女優陣もはまっており安心して観られる良い作品となっています。メグもジョーもエイミーも大変よいのですが、とくにベス役のクレア・デーンズがはまりにはまっており、私は映画を観ながら「ベスがクレア・デーンズに降りてきているよぅ」とおののいてしまいました。男性陣もなかなか素敵でベア教授役のガブリエル・バーンも控え目にされど渋く光っていますし、ローリー役のクリスチャン・ベールも見目麗しい坊ちゃまにすっぽりとはまっています。役者達の熱演に引っ張られて観客である私達はこの懐かしい物語が発する幸福感に身を沈めながらも、スクリーンの中をシンプルに前を向いてそれぞれの道をシッカリ歩いて行こうとする彼女達の姿を観て、観終わった後その幸福感がいったい何なのかゆるやかに感じることになるのです。
「人とは本来善なるもの」
力強い人間肯定のドラマだと思います。