今日の考え事〈applemint1104〉

自分の体験やニュース、テレビドラマや映画などについて感じた事を素直に書いて行きます。

映画「奇跡がくれた数式」の感想

2017-05-09 10:35:00 | エンタメ
家族が借りて来たものを見ただけですが‥
一年前に公開された英国映画で日本の興行収入が4500万ということです。
大規模な公開はされていないんですね。
アインシュタイン並みの天才的な数学の頭脳を持ったインド人、ラマヌジャンが、英国のケンブリッジに入学し、数学の才能を認められて行くのですが、それがもう、入る前から二冊の本を自分で書き、それを見たケンブリッジの数学博士も唸るほど。
「多分これを証明するには一生かかる」と言わせた位のものでした。これは第一次大戦の頃の話。
インドは英国領で、身分の格差ははっきりとありました。
インド人だからと暗黙の差別があったのです。

インドから妻を置いて身一つで出て来た彼。でも人種差別の壁は厚く、王朝立協会会員にもまったく認められません。
段々と心身を病んで行きます。
結核にかかり、相棒となってくれた博士の人間味のなさに失望したり、自殺未遂をしたり…次第に追い込まれます。
しかしその実力(天才レベル)がやがて認められます。

インドに帰り、妻と再会する彼。自分は見捨てられたと思っていましたが、妻はずっと自分を待っていてくれたのでした。
一年後、インドから博士のもとに、彼の訃報が届きます。32歳の若さでした。
 
二度見たので、二度目ははっきりと意味が分かりました。
一度目は何が語られているか、チンプンカンプンでした。頭が悪いのか、じっくり見ないと理解できません(涙)
見終えて、何か壮大なものに触れたような…。
普段、天才的な頭脳の人がいるとかまったく考えもしないので、そういう才能に生まれた人の人生がどんなに大変な、周りとの軋轢があるものなのかを想像することもありません。
人はみんな自分が普通だと誰でも思っているけれど、ものすごい突出した才能を感じる時はそれに従って生きざるを得ません。
でも、そうすればするほど現実の幸福からは遠くなってしまいます。
この人は分割数とか素数のすごい公式を作り出したけれど、これまでにその証明は出来ていないそうです。
「君はどこからこのような着想を得るのかね?」と博士に聞かれても、「女神が手に乗せてくれる」というだけで、それはインスピレーションの領域らしいのです。

彼は数学教育をきちんと受けて来なかったので、発想も考え方もファンタジーのようになるのです。
うーん、ただすごいとしか言いようがありません。
17億人のインド人の中には時折このような類まれな頭脳が生まれることがあるのです。人口の多さってバカにできない…。
今の世の中だって、どの国でどんな天才的な頭脳が生きてるか分かりゃしない。
それが育つかどうかはまた別の話です。
出会いや幸運であるのでしょう。
この主人公の才能の発見者は英国数学者のハーディでした。
一生を数学に捧げた彼は、世間や人から孤立し、数学の世界に生きています。
ハーディとの二人三脚でラマヌジャンは数学史に残りました。
数学者との友情を描いた映画、と取ってつけたように宣伝で書かれていますが、私は数奇で孤独な生き方を描いた悲劇のように見えました。
たまにはこういう視点の違った映画も、いいものです。