ピリ

2017年06月17日 17時39分59秒 | マーロックの日記

                                              ボン ボン

                              ボン

「・・・あれ以上は進まないね」

「はい」

マッチョさんが壁から向こうを覗いてる・・・

監視カメラで向こうの様子は撮れているから、タブレットをみれば向こうの動きはある程度分かる。

フェルトたちと別れた後、激しく撃って来た。

最初の勢いはないけど、まだ撃ってくる。

ずいぶん弾があるらしい。

攻めると言うのはある程度本気なのか、小屋の連中は自分たちでつくっていた土嚢の壁を崩して前進して来た。

シールドで全面を守りながら、崩した土嚢を元の壁よりも前に積んでいる。

崩してあるのは一部分で、前進した距離も100mくらい。

仮にグレネード弾を持っていたとしても、まだ射程外だろう。

カメラの映像ではよく分からないけど、ガードさんの話だと彼がライフルで直接シールドの奥にある土嚢を撃ったらしい。

ガードさんは狙撃の訓練を受けていて、800mくらいの距離があるけど上手に狙った様。

1発の弾でも、思い切った前進をためらわせる効果はあったのかもしれない。

                          ジジ  ・・・

                                       フライドチキンがあるよ

                                                       ジジ

いくつかあるトランシーバー―から、同時にカールさんの声。

森との境目辺りにある、十字タープにいる。

「・・・食べに行くよ」

                         ジジ ・・・

ハットさんが返事した。

「君らはどうする?」

「マロックさん、先にどうぞ」

マッチョさんが勧めてくれた。

「うん」

お腹すいた。

もう午後の4時。

夜の見張りに備えて、本当ならもう寝ている予定だった。

「私いらないから、食べてきていいよ」

「・・・うん」

プルームさんに勧められて、リフも行く様。

「・・・たべてきます」

「はい」

「傘、貸してもらえます?」

「!」

私が立ち上がろうとしたら、プルームさんがそう言った。

土壁に弾があたって土が跳ね上がり、ここから見上げる空は煙ってる。

それが落ちて来るからみんな土まみれだけど、私は準備しておいたクラゲ傘のおかげでそこそこ平気。

「・・・はい」

私はクラゲ傘を、プルームさんに渡す。

もともと私のではないし。

「ありがとう」

クラゲ傘は透明で深い。

プルームさんはそれ頭をスッポリ隠した。

「♪」

一度かしたら、もう私の所には戻ってこない気がする。

       

別にいいけど。

「ニャ~」

「ふふふ」

黒猫がプルームさんの膝の上に移動した。

「チチチ」

一緒に隠れていた小鳥も。

「私もたべて来るよ」

「はい」

ハットさんが、透明なケースに入れたタブレットをノッポさんに渡した。

                  

                                                ボボン

土壁は大きく立派だから、向こうの弾はよくあたる。

マッチョさんがボートで助けを呼びに行こうとしたとき、狙撃されてエンジンが壊された。

向こうにも狙撃するのがいる。

監視カメラは、森の木に固定してる。

それと分からない様に、こっそり。

「このまま起きていたら夜が大変だね」

「はい」

まだ撃ってくるけど、そろそろ寝ておいた方がいいかもしれない。

小屋の連中も、暗い内に前進する気かもしれないし。

「・・・雨、ふらないかな」

・・・リフが言った。

「そうだね」

橋の向こうが湖になった方が、時間は稼げそう。

フェルトの行ったことが本当なら、私たちの仲間の振りをして保安官たちに何か連絡を入れているのかもしれない。

ただ、プルームさんはここにいる。

彼女からの直接の連絡がないことを心配して、様子を見に来てくれるかもしれない。

老夫婦たちにも、連絡できていない。

          

                       ピピ  ♪

少し進むと、新しくつくった真ん中の壁がある。

それを背に進めは、すぐ森。

そこにたき火がある。

今は燃やしていないけど。

                                                         タァン

             ピチュ

小鳥たちが何羽か出て来てる。

音がするから、聞きに来たのかも。

「・・・・」

新しい歌の参考にするのかな。

「チュン♪」

               

ハットさんは、レンズカメラでフェルトたちの写真を撮った。

ディスプレイに映していない状態で、レンズだけで撮った。

でも上手く3人とも撮れていた。

ツイードっぽい男は、たぶんツイードの男。

                      ニャ~

シャープネコがいる。

コックさんも。

今日は女性たちは、コックさんと一緒にキッチンにいる。

「お前ら食事はどうする?」

「・・・そろそろ寝ようと思うから、起きてから出いい」

「そう」

木箱テーブルに、ケースに履いたフライドチキン。

土が舞っているから、ケースに入れて持ってきた様。

「どうぞ」

マリオットさんがケースを開けてくれた。

ペーパータオルがあって、それで掴んで食べる様。

「いただきます」

                    ピピ

背中側に森の小鳥たちがウロウロしているから、こっそりたべよう。

                  ――

私はひとつ取る。

           パク

そして食べた。

                     モグ   モグ

「・・・・」

おいしい。

ちょっとピリッとしていて、スパイシー。

「スパイシーだね」

「うん」

ハットさんとリフもたべてる。

「リンゴもあるよ」

「うん」

別のケースに、カットリンゴもある。

「?」

「紅茶飲む?」

「うん」

保温ボトルがあって、ミニカップもある。

崖の私が座っていた木箱に行けば、りんごジュースがある。

でも紅茶ももらう。

「・・・誰か来る」

「?」

「崖の下」

マリオットさんが、タブレットを見てる。

2台ある監視カメラのひとつは、崖の下に向けてある。

「・・・これ見てください」

私たちに見えるように向けた画面に、崖の下の森。

「ここ」

撮った映像を再生したものらしく、それを一時停止してある。

「車?」

「動かしますよ」

「うん」

「・・・・」

少し戻して再生した映像には、一瞬動くものが映ってる。

崖の上から撮っているから細かな部分は分からないけど、チラッと車っぽいのがみえた。

                     ジジジ  ――

「崖の下に誰かいるよ」

                                   ・・・    ジジ  ・・・

トランシーバーで、マッチョさんたちに伝えた。

崖の方を見ると、カフスさんとハンスさんがこっちに来る。

食べに来ている様。

「・・・よく気付いたね」

「鳥が、ワッと飛んだから」

「そう」

             モグ

「・・・・」

小屋の連中だろうか。

まだ寝れそうにない・・・・

                        ピチュン

                                                  ヮヮヮヮ   ・・・・・

                                             タァン

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