それでも

2017年10月01日 00時00分48秒 | 黒猫のひとりごと

                                             ――  ォォォ  ・・・・

                       トトト

足音・・・

目を開けると暗い。

       ゴソ

僕は荷台のネコハンモックで寝ていた。

                   ゴソ

頭を、上にかかっているミニ毛布から出す。

「キキ」

リスがいた。

動くと点くライトが、何個か点いてる。

メジロとかも起きてるのかも。

ネコハンモックは枠台車にある。

下は、今は使われていないテントとか布っぽいのが積んである。

                   ボン

僕は横に転がって、その上に落ちる。

「ニャ~」

おはよう。

高く積まれた木箱の上の方にいたリスに、鳴く。

                                    キキ

返事があった。

「おはよう」

ニャ

後ろからノロマさん。

              パカ

冷凍庫に何かを取りにきている様。

「ニャ~」

なんかちょうだい。

たぶんくれないけど、一応たのんでみる。

「♪」

すると、ノロマさんはしゃがんだ。

何かくれるのかな。

      

僕は接近する。

             ――

「・・・」

頭とか耳をなでるだけ。

首も。

      パチ

期待はしていなかったから、シッポで返事して去る。

荷台の通路はクネクネしているけど、箱の上に跳ねればまっすぐ行ける。

空気はつめたいけど、風はないから平気。

                                ゴソソ

後ろの冷凍庫から、中をあさる音。

僕は少し気になったから、見る。

                  パタン

カゴに何か入れて、ノロマさんがフタを閉めた。

上にのれるフタ。

                モソ

リスのシッポが足にあたった。

ちょうどいいので、練習していたのを見せてあげよう。

    トン   ト

せっかくあがった箱から下りて、歩いて来るノロマさんの前の木箱にのる。

              キキ

4つの足を、箱につける。

             タン タタタン ♪

                               タン タタタン ♪

                 タタタタン  タタン タン ♪

                                        タタ タン  タタ ♪

      タタタタン  タン タタ  タン タタタ タ  ♪

リズムよく、足で木箱をタンタンする。

「♪」

「♪」

よろこんでくれたみたい。

      タッ

そして僕は横に回転しながら床に跳ねる――

                     タン

                               ダダッ

箱を上れば直進できるけど、それでも僕はクネクネの道を行く。

「・・・・」

動かなくても点くライトも点いてる。

ちょっと量の減った箱島に、コックさんがいて箱の中をジッとみてる。

「ニャ~」

背中側から挨拶して、僕は行く。

「・・・・」

こっちを見たような気もするけど、もうシッポ側だからわからない。

ドアは少し開いていて、そこから外に出れそう。

           トン

                      ト  トトト

箱の上を通って来たリスが来る。

             トン

そして僕の背中にのった。

チワワがいないから。

                                               ピピピ

                          ソョョ

外に出ると、明るめの地面と影。

お日様はもう、少し出てるみたい。

                              ――   ・・・・

ゴムさんとハンスさんがいる。

スコップさんもいて、出て来たお日様を眺めている様。

僕は荷台の上に行くハシゴを目指す。

                                                   ヒュルル  ・・・・・

つめたい風。

きっとハシゴはつめたい。

「クゥン」

レトリバーがハシゴの下にいる。

                     フサ

僕が近づくと、リスがそっちに移った。

フサフサだから、温かそう。

       トン

                トン

ハシゴをのぼる。

                   ――   ・・・・

人の声。

「いい天気だ」

「はい」

ハットさんとカールさんとリフがいた。

マッチョさんと男もいる。

荷台の端っこの方に、ノッポさん。

手にミニ飛行機。

                行くぞ ――

「うん」

                                          ―――  ィィィ  ン

ノッポさんがそれを投げたら、飛んだ。

ゴーグルをつけたカールさんが、動かしている様。

「北側から見て行こう」

「うん」

「そんなに木が多くない?」

「そうだね」

ミニ飛行機は離れて行く。

近くを鳥が横切った。

ミニでもそこそこ大きいし、乗れば僕も一緒に飛べるかな。

カゴを付けて、それに乗った方が快適かもしれない。

後でカールさんかチーフさんにお願いしてみよう。

「おはよう」

リフが僕に気付いた。

「ニャ~」

ネコステップしようかな・・・・

                                             ゥゥゥウウ  ―――

                                                             ピィィィ

                              ヮヮヮヮ  ・・・・


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