雷が呼ぶ

2016年10月15日 23時48分18秒 | 黒猫のひとりごと

                          ザァァァァァ    ・・・・・・・

                                         ゴォォォォ        ン

          ポチャ

森の中・・・

大きな石が積み重なってる。

                      ミャ~

いた。

「ニャ~」

                  ミャ~

僕が鳴くと、こっちを向いた。

小さなネコ。

たぶん急斜面を転がり落ちて、あの石の上に移動してしまったのだ。

そして下りれなくなったのだと思う。

僕のいる石からだと、すこし距離がある。

石の下からだと、跳び上がれる高さではないのだ。

斜面の上からなら、上手くあの上に行けるかもしれない。

                     ミャ~

小さなネコは、もう僕をジッとみて鳴いてる。

助けを求めているのだ。

今僕が、斜面の上に移動したら見捨てられたと思うのだ。

「ニャ~」

すこし下がって・・・

                       ミャ~

僕の声は届かない。

       ジャリ

少し下がって、僕は体を縮める。

船から降りて今まで、僕はただゴロゴロ過ごしていたわけではない。

屋根から屋根に、屋根から塀にジャンプをしたりしていたのだ。

僕のネコジャンプの精度は、高まっているのである!

なのでそこからのネコパンチも。

カラスやぶちネコも、感心していたのだ。

        ミャ~

            ダダッ  ――

高く跳ねる――

                             ――――

                                           ゴォォォォ    ・・・・・・

「ミャ♪」

高くフワリと跳ねあがって、それで距離も跳んだのである。

上からストンと落ちてくることで、勢い余って子ネコを弾き飛ばすことはなかったのだ。

僕の訓練の成果である。

「ニャ~」

もう大丈夫だよ。

「ミャ~」

雨に濡れて、ブルブルしてる。

もう、水を飛ばす元気もないみたい。

とりあえず、僕のお腹の下に入れて温める。

「♪」

まるくて、耳が折れてる。

小さい。

水と一緒に泥もついてる。

                                   ザァァァァァ   ・・・・・・

小さな声でしきりに鳴いていたのだ。

最初、橋の上でシロネコが鳴き声に気付いた。

鳴いて僕に教えてくれたのだけど、シロネコもしまネコもケースの中で動けない。

僕だけがノロマさんに抱えられていたので、抜け出して誘導した。

予定通り男が追ってきたけど、急に雨が強くなって雷も来た。

この子ネコの声がかき消されそうだったので、僕は男を置いて先にここまで来たのだ。

しょうがなかったのだ。

雷に静かにするように言ったけど、ゴロゴロいじけてる。

                                             ゴロロロ  ・・・・

雷もこの場所を教えようとしていたのかもしれない。

ただうるさいだけだったけど。

「ニャ~」

もう見つけたよ。

                                              ゴォォォ        ン

「ミャ」

周りを見る。

雨粒や風でゆれる木ばかり。

道路からはそんなに離れてはいないと思う。

耳を澄ます。

車か、川か、人の声を探すのだ。

                     チャポ ポ  ・・・

水粒が地面と落ち葉にあたる音。

「ニャ~」

母ネコはどこ?

「ミャ~」

飼い主もいないのかな。

          カプ

折れ耳子ネコを銜える。

ひえていた体が、少し温まったので。

シロネコみたいにフサフサなら、もう少し温かいと思う。

                 トン

横向きに跳ねる――

                          タッ

          チャプ

さっき僕がいた石を一度蹴って、勢いを落として地面に下りた。

                                                ――――

ニャ

声。

人間の声だけど、遠くから響いてる。

サイレンかな。

助かったのだ。

僕は、声のした方に行く・・・・

                 ミャァ

                                                 ゴォォォォ   ・・・・・

                                ―――  ァァァァァァ

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